家族と人生後半

家財や自動車も相続税の対象?50代の私が「家の中は一式ゼロ」と決めない理由

2026年10月10日

木製ミニカー、時計、鍵、家財一覧を落ち着いて確認する机上

親の相続財産を整理するとき、預金や不動産は思い浮かんでも、家具、家電、車、時計まで相続税の一覧に入れるのか迷いますよね。「古い物ばかりだから価値はない」「家財一式でゼロでもよいのでは」と感じる方もいると思います。

私も片づけを急ぐ場面なら、税金より先に「残す物と捨てる物」を決めたくなります。不安になると情報を集めすぎる一方、家の中を一つずつ値付けすると聞けば、さすがに途方に暮れそうです。

そこで今回は、2026年8月13日に国税庁の最新通達と案内を確認し、家庭用財産、自動車、時計・宝石、美術品、仏壇などの評価をやさしく整理しました。全部を鑑定するのではなく、どこを一括し、どこで立ち止まるかを一緒に見ていきましょう。

最初にするのは値段付けではありません。売る・捨てる・形見分けを始める前に、部屋ごとの写真と高価そうな物の資料を残すことです。

家具・家電・車・時計も相続財産の一覧へ入れる

家具・家電・自動車・時計を素材別の台座へ分けた立体イラスト
家財は一括できる物と個別に見る物へ分けます。

相続税では、現金、預金、不動産、株だけでなく、相続開始時に亡くなった方が所有していた動産も財産の一覧へ入れます。家具、家電、衣類、食器、自動車、時計、宝石、ブランド品、絵画、骨とう品などが候補です。

ただし、家にあるすべての物を同じ方法で一個ずつ細かく評価するわけではありません。国税庁の財産評価基本通達では、原則は一個または一組ごとですが、一定の低額な家庭用動産は世帯ごとにまとめられます。

押し入れや食器棚まで見ると思うと、気が遠くなりますよね。私も全部に値札を付ける作業なら止まってしまいます。まず「普段使い」「車」「時計・宝石」「美術品」「礼拝用」の五つへ分けると、個別に見る物が絞れます。

最初の一覧では、値段を空欄にしても構いません。「どの部屋にあったか」「誰が使っていたか」「高価そうか」の三点だけ書けば、持ち主の確認と評価の優先順位を分けられます。私なら家族と写真を見ながら、一部屋ずつ候補を拾います。

最初の分類例次にすること
普段使いの家財家具、家電、衣類、食器一括できるか確認
登録・査定できる物自動車、バイク車検証と相場を確認
高価になり得る物時計、宝石、ブランド品個別に写真と見積り
専門性が高い物絵画、骨とう品鑑定書・専門家を確認
礼拝用の物仏壇、仏具、神具利用目的を確認
持ち主、用途、相続開始時の状態も一緒にメモします。

古い家財だから価値ゼロと決めず、まず相続開始時に存在した物を分類してください。

1個または1組で5万円以下なら世帯ごとに一括評価できる

国税庁の財産評価基本通達128では、一般動産は原則として一個または一組ごとに評価するとしています。ただし、家庭用動産などで一個または一組の価額が5万円以下のものは、一世帯ごとにまとめて評価できます。

ここでいう5万円は、購入価格ではなく相続開始時の価額を見るための境目です。10年前に高く買った家具でも、中古での価値が下がっていることがあります。反対に、小さな時計や一組の食器でも価値が高ければ個別に見ます。

「家財一式は10万円でよい」といった例を見かけると、そのまま使いたくなりますよね。私も定額の目安があれば楽だと感じます。でも、法律で全国一律の家財一式額が決まっているわけではありません。物量や内容が分かる写真を残し、根拠を持って金額を置きます。

同じ種類の食器や応接セットは、一組として価値が出ることもあります。反対に、購入時は高かった家電でも、古さや故障で相続開始時の価値が下がることがあります。「一個か一組か」「今いくらか」を分けて考えると、5万円の扱いを早合点しにくくなります。

  • 一個または一組で価値を判断する
  • 5万円以下の家庭用動産は世帯ごとの一括評価を検討する
  • 5万円を超えそうな物は一括から外して個別に見る
  • 購入額ではなく相続開始時の価値を使う

一括評価する物も、「家具・家電等一式」と一行だけにせず、部屋の写真、主な品目、評価方法を保存します。家財が極端に多い、収集品が混じる、店舗や事業でも使っていた場合は、家庭用だけの一般例で終わらせません。

家具・家電は中古の売買実例や新品価額からの減価で見る

一般動産は、原則として売買実例価額や精通者の意見価格などを参考に評価します。中古市場で同じ製品や近い規格の取引があれば、相続開始時の状態、年式、付属品などを比べます。インターネットの出品希望価格だけで決めないようにします。

売買実例や専門家の見積りが分からない場合は、相続開始時の同種・同規格の新品小売価額から、製造時からの償却費や減価額を差し引く方法があります。国税庁は、償却費を計算するときの耐用年数と定率法も示しています。

家電の型番を一つずつ検索すると、終わりが見えないと感じるかもしれません。私も情報を集めすぎそうなので、まず5万円を超えそうな物、購入時期が新しい物、業務用の物だけ付箋を付け、それ以外は一括評価の資料にまとめます。

似た品物が多いほど、どれを比べればよいか迷いますよね。比較する中古品は、同じ型番だけでなく、製造年や状態、付属品の有無まで近いものを探します。比較画面の保存日も書き、なぜその資料を選んだか一行添えておくと安心です。

保証書、購入レシート、型番ラベル、製造年、故障や傷の写真は評価の手掛かりです。処分業者の引取費用がかかる物でも、処分費用と相続税評価を自動的に相殺できるとは限らないため、別々に記録します。

購入価格やフリマサイトの出品額を、そのまま相続開始時の評価額にしないでください。

自動車は死亡日近くの中古車価額と状態をそろえる

自動車も一般動産として評価します。相続開始時の中古車としての売買実例価額や査定額などを参考にし、同じ車種でも年式、グレード、走行距離、車検の残り、修復歴、故障、地域などの違いを比べます。

車検証、自動車検査証記録事項、整備記録、購入契約書、ローン残高、走行距離の写真をそろえます。ローンが残る場合は、車の評価と債務控除の可否を同じ金額にせず、所有権留保も含め契約を確認します。

ネットの中古車価格を見ると、似た車でも幅があり迷いますよね。私も一番低い価格だけを選びたくなりそうです。できれば相続開始日に近い時点の買取査定や複数の資料を取り、どの車両状態と比べたかを残します。

査定を依頼するときは、相続税評価の参考資料として使いたいことと、死亡日現在の状態を伝えます。すでに走行距離が増えた場合や修理した場合は、現在の査定額だけをそのまま使わず、死亡日時点との違いをメモして税理士へ共有します。

車の確認欄資料の例
車種・型式・年式・グレード車検証、購入資料
走行距離・車検・修復歴メーター写真、整備記録
相続開始時の状態外装・内装・故障箇所の写真
相続開始日近くの価額買取査定、売買実例、専門業者資料
ローン・所有者契約書、残高証明、車検証
名義変更や廃車の手続きと、相続税評価は分けて進めます。

亡くなった後に家族が使い続けた、事故で状態が変わった、すでに売却したという場合も、相続開始時へ戻して考えます。売却額を参考にできることはありますが、売却日や状態の差を税理士へ伝えましょう。

時計・宝石・ブランド品・美術品は個別に止める

高級時計、宝石、貴金属、ブランドバッグ、絵画、書、骨とう品などは、家庭用財産の一括評価へ安易に入れません。小さくても5万円を超える物があり、作者、年代、素材、真贋、保存状態、箱や鑑定書の有無で価値が変わります。

国税庁の評価資料では、美術品、宝石、ブランド品などについて、必要に応じ鑑定人へ依頼し、類似品の市場価格や取引価格、精通者の意見を参考にする考え方が示されています。比較的低額で取引事例がある物は、合理的で簡易な方法も使えます。

親が大切にしていた物ほど、値段を付けることに抵抗がありますよね。私も思い出の品を買取価格だけで見たくありません。でも、形見としての気持ちと相続税評価は別の列に置くと、品物を雑に扱わずに済みます。

査定へ出す前に、家族で「評価のために一時的に預ける」と確認しておくのも大切です。売却の同意までしたつもりはなかった、という行き違いを避けられます。持ち出す人、預け先、預けた日、返却日を一枚の受渡しメモに残しましょう。

  • 品物全体と刻印・署名・型番の写真
  • 箱、保証書、鑑定書、購入記録
  • 傷、欠け、故障、付属品の有無
  • 複数業者の見積りや取引事例
  • 査定日と相続開始日との差

高価になり得る時計・宝石・美術品を、写真や鑑定資料を残す前に形見分け・売却・処分しないでください。

仏壇・仏具は日常礼拝か、骨とう・投資目的かで分ける

国税庁は、墓地、墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など、日常礼拝に使っている物を相続税がかからない主な財産として挙げています。一般の家庭用財産と分け、非課税財産として整理する余地があります。

ただし、仏像や仏具の形をしていても、骨とう的価値がある物、投資対象、販売商品として持っていた物は一律に非課税になりません。日常礼拝の用に供していたか、購入目的や保管状況も合わせて確かめます。

家族の記憶だけでは用途が分からないこともありますよね。私なら、置かれていた場所、普段のお参りの様子、購入時の領収書や箱、鑑定書の有無をまとめます。高価かどうかだけでなく、実際にどう使われていたかを専門家へ説明できる形にします。

家族が毎日手を合わせてきた物を税金の表に載せるのは、気持ちが追いつきにくいですよね。私も「仏壇だから全部同じ」と早く決めたくなります。けれど、普段の礼拝用と収集・投資目的を分けることで、制度の趣旨にも家族の気持ちにも沿いやすくなります。

高価な素材、著名な作者、鑑定書、箱書き、売買の記録がある場合は、非課税と決める前に税理士や専門家へ見せます。宗教的な価値と市場での取引価値を、自分たちだけで判断しないことが安心につながります。

売却・形見分け・処分の前に写真と根拠資料を残す

相続後は、家の明渡し、介護施設の費用、固定資産税、車の保管などが重なり、片づけを急ぐ場面があります。それでも、最初に各部屋を広く撮影し、高価そうな物は正面・裏面・刻印・傷・付属品を撮ってから動かします。

売却した物は、買取明細、業者名、査定日、振込記録を保存します。廃棄した物も、品目、処分日、処分理由、処分費用の領収書を残します。形見分けは、誰が何を受け取ったかを家族の財産一覧へ記録します。

片づけの最中に写真を撮るのは、手を止める感じがしますよね。私も早く部屋を空けたいときは面倒に思いそうです。でも、後から品物がなくなって評価根拠を説明できない方が困ります。最初の30分を記録に使う方が安心です。

写真が増えると、どの品物か分からなくなりますよね。撮影後は、部屋名と撮影日をファイル名に入れます。高価そうな物には一覧番号を書いた紙を横へ置き、同じ番号を財産一覧にも付けます。写真と査定書が迷子にならず、誰が受け取ったかも確認しやすくなります。

親の財産全体がまだ一覧になっていない方は、親の財産を所在から確認する記事へ戻ってください。家庭用財産の評価資料は、相続税申告の必要書類を整理した記事と合わせて保管すると探しやすくなります。

  • 部屋ごとの全景写真
  • 高価そうな物の個別写真
  • 型番、刻印、署名、鑑定書
  • 査定書、買取明細、処分記録
  • 取得した相続人と保管場所

財産の合計が基礎控除を超えるか分からない場合も、評価を省かず概算を作ります。相続税がいくらから関係するかを基礎控除で見る記事へつなぎ、家財を含めた財産全体で申告要否を見ます。

まとめ:一括・個別・専門・非課税・資料の5箱へ分けよう

一括・個別・専門・非課税・資料を五つのトレーで表した立体イラスト
処分前に五つの箱へ分けると、評価の漏れを減らせます。

家財や自動車の相続税評価は、家の中のすべてへ細かく値札を付ける作業ではありません。一括できる低額な家財と、個別に見る車や高価品、専門家へ相談する美術品、非課税を確認する礼拝用財産を分けます。

5箱メモ入れる物と行動
一括一個・一組5万円以下の家庭用動産を検討
個別車、時計、宝石など価値が高い物
専門美術品、骨とう品、真贋が分からない物
非課税日常礼拝に使う仏壇・仏具等
資料写真、車検証、保証書、鑑定書、査定書
判断がつかない物は処分せず、「専門」の箱へ仮置きします。

物が多いほど、今日は何から始めればよいか迷いますよね。私も一日で片づけようとすると疲れてしまいます。今日の一歩は、玄関から各部屋を写真に撮ること。そして、車検証や鑑定書を一つの封筒へ入れることです。

一括・個別・専門・非課税・資料の五つへ分ければ、家族にも税理士にも状況を伝えやすくなります。思い出を急いで処分せず、記録を残しながら少しずつ進めていきましょう。

-家族と人生後半