家族と人生後半

相続税はいくらから?50代の私が「3,600万円を超えたら全額課税」と思わないために

2026年9月21日

相続税の対象を家と通帳と計算機で確認する机上

親の家や預貯金のことを考え始めると、「相続税って、いくらからかかるんだろう」と気になりますよね。3,000万円、3,600万円、4,800万円といろいろな数字が出てきて、自分の家はどれなのか分かりにくいところです。

私も不安になると情報を集めすぎる癖があります。相続税を調べたときも、税率表を見るほど話が難しく感じました。でも、最初から税額を出そうとせず、「誰が相続人か」「何が財産に入るか」「基礎控除はいくらか」の順に並べると、ずいぶん見通しがよくなります。

2026年8月2日に国税庁と政府広報の案内を確認し、基礎控除、法定相続人、財産の数え方、生命保険の非課税枠、配偶者の税額軽減、申告期限までをまとめました。個別の税額は家族関係や財産評価で変わるため、この記事では「申告が必要そうかを早めに見つける」ところまで一緒に進めます。

まずは、親の財産が多いか少ないかを決めつけず、法定相続人の人数から基礎控除を出してみましょう。ざっくりした一枚ができれば、税理士や税務署へ相談するときも話しやすくなります。

相続税はいくらからかかるのか

相続財産と基礎控除の境目を表した立体イラスト
基礎控除は法定相続人の人数で変わります。

相続税の入口になる基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。法定相続人が1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円です。

ここで比べるのは、預金残高だけではありません。不動産、株式、生命保険金などを含め、債務や葬式費用などを差し引き、制度上加える贈与財産も反映した課税価格の合計です。

「3,600万円を超えたら、その全額に税金がかかる」と聞こえたら怖いですよね。私も最初はそう思いましたが、基礎控除を超えた部分をもとに相続税の総額を計算します。

基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。超えたからといって、遺産全額へそのまま税率を掛けるわけではありません。

法定相続人基礎控除よくある家族の例
1人3,600万円配偶者のみ、または子1人
2人4,200万円配偶者と子1人
3人4,800万円配偶者と子2人
4人5,400万円配偶者と子3人
法定相続人の範囲は家族関係や相続放棄によって注意点があります。

私は税率表より先に、この基礎控除を紙の上へ大きく書きます。あなたも、今分かる家族関係だけで一度計算してみませんか。正式な人数は次の見出しで確かめます。

なお、基礎控除の範囲内かを見る段階では、自宅の購入価格や預金の昔の残高をそのまま使いません。不動産や上場株式などは、相続税のルールに沿った評価があるからです。ざっくり計算で境目に近いときほど、自己判断で「申告不要」と閉じず、評価方法を確認した方が安心です。

私は数字が基礎控除より少し下だと、ほっとして確認を終えたくなります。でも、漏れていた土地や保険が一つ加わるだけで判定が変わるかもしれません。境目に近い方は、どの金額を使ったかまで残しておきませんか。

法定相続人の人数を先に確かめる

亡くなった人の配偶者は常に相続人になり、配偶者と一緒に相続する人は、子、直系尊属、兄弟姉妹の順で決まります。先順位の人がいると、後順位の人は法定相続人になりません。

子が先に亡くなっている場合の代襲相続、養子、相続放棄がある場合は、基礎控除で数える人数に独自の扱いがあります。たとえば相続放棄をした人がいても、基礎控除の人数は放棄がなかったものとして数えます。

家族なら全員を数えると思いがちですよね。私は親族の名前を思い浮かべるほど人数を増やしてしまいそうなので、戸籍上の関係と順位を図にします。

  • 配偶者がいるか
  • 子や代襲相続する孫がいるか
  • 子がいない場合、父母や祖父母がいるか
  • 直系尊属もいない場合、兄弟姉妹や代襲する甥・姪がいるか
  • 養子や相続放棄など、人数計算に注意があるか

兄弟姉妹まで広がる相続や、戸籍のつながりが複雑な相続では、自分たちだけで決めない方が安心です。私は「多分この人数だろう」のまま税額を試算するより、戸籍を見せて早めに確認したいです。少しでも迷う関係はありませんか。

相続の話を家族の一人だけが抱えると、あとで認識がずれやすくなります。日頃のお金の共有方法は、夫婦で家計情報を分けすぎないための記事と同じで、金額より先に「資料がどこにあるか」だけでも伝えておきたいです。

預金だけでなく相続財産を一枚にする

不動産や預金や保険を一覧に分ける立体イラスト
預金だけでなく、不動産・保険・証券・債務を一枚にします。

相続税の確認では、預貯金だけを合計しても足りません。土地・建物、有価証券、現金、貸付金、貴金属、死亡保険金、死亡退職金など、金銭に見積もれる財産を拾います。

一方で、借入金や未払金、一定の葬式費用は差し引けるものがあります。お墓や仏壇など非課税になる財産もありますが、生前に投資目的で取得したものなどは扱いが変わることがあるため、名前だけで決めつけません。

通帳の数字を足せば終わりだと思っていた方は、項目の多さに少し身構えますよね。私も親の家の評価や保険まで入ると聞くと、急に難しく感じます。

相続税の判定は預金だけではできません。不動産、保険、証券、債務、一定の贈与まで同じ一覧へ置いてください。

箱確認するもの手がかり
金融資産預貯金、株式、投資信託、現金通帳、残高証明、証券会社の報告書
不動産・その他土地、建物、共有持分、貴金属等固定資産税明細、登記事項証明書、契約書
みなし相続財産死亡保険金、死亡退職金保険証券、勤務先の規程
差し引く候補借入金、未払金、一定の葬式費用返済予定表、請求書、領収書
評価方法と控除可否は財産ごとに違うため、一覧を専門家へ見せて確認します。

親が元気なうちなら、税額を聞き出すような話し方より、通帳や保険証券の保管場所から聞く方が自然です。私は「何を持っているの」と迫るより、急な入院時に支払いが止まらないようにしたい、と伝えます。親のお金と子世帯の立替えを混ぜない考え方は、親の介護費用を家計と分ける記事も参考になります。

私は分からない欄を残すと作業不足に見える気がして、正直少し不安です。でも一覧には、金額が分からないものも残します。「地方の土地あり」「昔の証券口座かもしれない」「保険の受取人未確認」と書くだけでも調査の入口になります。空欄をゼロとして合計するより、分からないものが見える方が家族には親切です。

書類が一度に見つからないと、前へ進んでいない気がしますよね。私なら一日で全部探さず、不動産、金融、保険、債務を週ごとに一箱ずつ見ます。途中の一覧でも、何もない状態よりずっと相談しやすいです。

非課税枠や特例は申告の要否と分けて見る

死亡保険金には、相続人が受け取る場合に「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額があります。死亡退職金にも同じ算式の非課税限度額があります。ただし、受取人や取得者の立場によって扱いが変わります。

配偶者には、実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円または法定相続分相当額までなら、配偶者の相続税額が軽減される仕組みがあります。自宅の土地には、小規模宅地等の特例を使える場合もあります。

ここまで聞くと「配偶者なら税金はかからないから、申告もしなくてよい」と思いたくなりますよね。私も税額ゼロと申告不要を同じだと思いかけました。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、適用して税額がゼロになる場合でも相続税の申告が必要になることがあります。

私は「特例を使えば大丈夫」という結論だけで止めず、特例を使う前の課税価格、申告期限までに分割が決まるか、必要書類はそろうかを分けてメモします。あなたのご家庭も、自宅と生命保険だけは先に契約・名義を見ておきませんか。

生命保険は相続税だけで決めるものでもありません。保障を増やす前に、公的保障と今の家計を比べる考え方は、50代の保険見直しの記事で整理しています。

配偶者と子2人の簡単な例で流れを見る

配偶者と子2人が法定相続人で、債務などを反映した課税価格の合計が6,000万円とします。基礎控除は4,800万円なので、課税遺産総額は1,200万円です。

これを法定相続分で仮に分けると、配偶者600万円、子は各300万円。いずれも税率10%の範囲なので、相続税の総額は120万円になります。その総額を、実際に取得した課税価格の割合で各人へ割り振り、税額控除を反映します。

計算の段階が何度も出てくると、「6,000万円に10%で600万円ではないの?」と混乱しますよね。私も一度で理解しようとせず、基礎控除、仮の法定相続分、実際の取得割合の3段に分けます。

順番この例見ること
1 課税価格の合計6,000万円財産、債務、加算対象を反映
2 基礎控除4,800万円3,000万円+600万円×3人
3 課税遺産総額1,200万円6,000万円-4,800万円
4 相続税の総額120万円法定相続分で仮計算
5 各人の税額取得割合等で配分配偶者軽減などを反映
説明用の単純例です。実際は財産評価、贈与、控除、特例で変わります。

私はこの例を、納税額の予想というより「どの資料が足りないか」を見つける練習に使います。自宅の評価が分からない、過去の贈与が曖昧、保険の受取人が分からないなら、その欄だけ色を付ければ十分です。最初から正解の税額を出そうとして止まっていませんか。

現金が少なく自宅の比重が大きい家庭では、税額だけでなく納税資金も見ます。相続した不動産をすぐ売ればよいとは限りませんし、家族が住み続けたいこともあります。預金で払えるか、分割や売却の話が必要かは、申告直前ではなく早めに考えたいところです。

「税金がかかるか」と「現金で払えるか」は別の不安ですよね。私は家を守るために他の家計を崩すのも避けたいです。税額試算を頼むときは、納税に使える現金まで一緒に聞いてみます。

申告期限10か月から逆算して相談する

相続税の申告と納税は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内が原則です。亡くなった人の住所地を管轄する税務署へ申告します。相続人の住所地ではない点も、初めてだと迷いやすいところです。

10か月と聞くと長く感じますが、戸籍収集、財産調査、不動産評価、遺産分割、納税資金の準備を同時に進めます。申告期限は、家族の話し合いが終わるまで自動で延びるわけではありません。

葬儀や名義変更の中で税金まで考えるのはしんどいですよね。私は期限から逆算しても焦るので、生前に一覧の置き場所だけ共有しておきたいです。

相続税の申告・納税は原則10か月以内です。基礎控除を超えそう、特例を使いそう、分割が難しそうなら早めに相談してください。

  • 税務署:制度や申告手続の一般的な確認
  • 税理士:財産評価、税額試算、申告書作成
  • 司法書士:相続登記や不動産名義の手続
  • 弁護士:相続人間の争いなど法的な問題

相談先が多くて迷う方は、まず「法定相続人の図」「財産と債務の一覧」「気になる期限」の3枚を持って税務署や税理士へ聞いてみませんか。私は質問を一つに絞ると動きやすいです。「申告が必要そうかを判断するために、次に何を確認すればよいですか」からで大丈夫です。

相続開始後は、相続放棄の原則3か月、所得税の準確定申告の原則4か月、不動産の相続登記など、別の期限も動きます。相続税の10か月だけをカレンダーに書くのではなく、手続き名、期限、担当する家族、相談先を一枚に並べます。

期限が並ぶと、それだけで気持ちがせかされますよね。私は家族全員が全部を知るより、誰がどの窓口へ連絡するかを決めた方が落ち着きます。今のうちなら、その役割も穏やかに話せます。

まとめ:基礎控除と財産一覧から始めよう

相続税はいくらからかかるのか。その答えは一律3,600万円ではなく、3,000万円+600万円×法定相続人の数で決まる基礎控除が入口です。そして、預金だけでなく、不動産、保険、証券、債務、一定の贈与まで見ていきます。

ここまで読んで「やっぱり難しいな」と感じた方もいますよね。私も税率表を眺めるだけでは落ち着きませんでした。でも、今日やることは税額計算ではありません。

  • 法定相続人になりそうな人を図にする
  • 基礎控除を一度計算する
  • 財産と債務の手がかりを一枚にする
  • 超えそう、分からない、特例を使いそうなら相談する

私は情報を集めすぎると不安が増えることがあります。だから今回は、分からない欄が残っても一枚を作ったら区切ります。あなたも今夜、家族の人数と資料の場所だけ書いてみませんか。税額を当てるより、次に聞くことが一つ見えれば十分な前進です。

-家族と人生後半