家族と人生後半

相続税の2割加算は誰が対象?50代の私が「孫なら同じ」と決めない理由

2026年10月13日

家系図、戸籍、電卓、相続税メモを落ち着いた机上に並べた写真風画像

相続税が「2割加算」と聞くと、遺産全体の税金がいきなり1.2倍になるようで、ちょっと身構えますよね。兄弟姉妹や孫が財産を受け取る予定なら、自分の家族はどこに入るのかも気になると思います。

私も続柄の図を見ると、孫は孫、兄弟は兄弟とひとまとめにしたくなります。でも2割加算は、同じ孫でも「代襲相続人なのか」「孫養子なのか」「遺言で受け取るのか」で扱いが変わります。名前だけでは決めにくいところです。

そこで今回は、2026年8月17日に国税庁のタックスアンサー、質疑応答事例、令和8年分の申告書様式を確認しました。家系図、財産を受け取る理由、税額の順に、できるだけやさしく見ていきましょう。

先に押さえたいのは、2割増えるのは遺産全体ではなく、加算対象者それぞれの税額だという点です。

相続税の2割加算は遺産全体ではなく対象者の税額にかかる

相続税の2割加算は、亡くなった人の配偶者や一親等の血族などに当たらない人が、相続・遺贈などで財産を取得したときに、その人の相続税額へ20%を加える仕組みです。家族全員の相続税総額を一律に1.2倍する制度ではありません。

たとえば、加算対象になる人の税額控除前の相続税額が100万円なら、加算額は20万円です。ほかの相続人が配偶者や子であれば、その人たちの税額まで一緒に20%増えるわけではありません。

「2割加算」という言葉だけを見ると、家族全員の請求が膨らむように感じますよね。私も税額表の最後に1.2倍と書かれていたら、総額へ掛けたくなります。まず、財産を取得した人ごとの税額を横に並べ、加算対象の人だけに印を付けます。

見る金額2割加算との関係
遺産の総額この総額をそのまま1.2倍しない
相続税の総額相続人全員分を一律に1.2倍しない
各人の税額控除前の相続税額対象者ごとに20%を計算する
加算後の納付税額ほかの税額控除等も含めて申告書でつなぐ
2割加算は、まず「誰の税額か」を分けると混乱しにくくなります。

遺産総額や家族全員の相続税へ、まとめて1.2を掛けないでください。

相続税そのものがかかるか分からない方は、先に基礎控除から申告の入口を確認する記事を見てください。相続税額が生じなければ、そこへ上乗せする2割加算もありません。

配偶者・父母・子などは原則として2割加算の対象外

国税庁は、財産を取得した人が亡くなった人の一親等の血族または配偶者である場合を、原則として2割加算の対象外としています。一親等の血族には、父母、子、通常の養子が含まれます。

配偶者が相続放棄をした後に遺贈で財産を取得するなど、法定相続人として受け取らない場面でも、配偶者という続柄自体は変わりません。実子も、相続放棄後に死亡保険金や遺贈財産を受け取る場合、子であることを基準に判定します。

法定相続人かどうかだけで決まると思いやすいですよね。私も「相続放棄したなら相続人ではないから加算」と考えそうです。でも2割加算は、まず亡くなった人との続柄を見る場面があります。相続人の一覧とは別に、取得者全員の続柄欄を作ると安心です。

  • 配偶者
  • 父母
  • 実子
  • 孫ではない通常の養子
  • 子の代わりに相続する一定の孫・ひ孫

ただし、相続時精算課税の適用中に養子縁組の解消などで続柄が変わった場合は、財産ごとの計算が複雑になります。家系図の現在地だけで決めず、贈与時と相続開始時の続柄を税理士へ見せた方がよい場面です。

家族関係は紙一枚に見えても、養子縁組や放棄、遺贈が重なると急に読みづらくなりますよね。正直、私も頭の中だけでは取り違えます。戸籍と遺言、保険の受取人を同じ机に出し、「誰が・何を・どの理由で受け取るか」を一行にします。

兄弟姉妹・甥姪・友人などは2割加算の対象になりやすい

配偶者・子・孫・兄弟姉妹へ続く関係を紙と木の道で表した立体イラスト
法定相続人かどうかだけでなく、亡くなった人との続柄をたどります。

亡くなった人の兄弟姉妹、甥・姪、祖父母、孫、ひ孫、友人・知人などが財産を取得する場合は、2割加算の対象になる可能性があります。兄弟姉妹や甥・姪は法定相続人になることがあっても、一親等の血族ではありません。

遺言で財産を受け取る親族以外の人や、事実婚のパートナーも、配偶者や一親等の血族には当たりません。法定相続分があるかどうか、遺言で指定されたかどうかと、2割加算の続柄判定は別の線でたどります。

兄弟姉妹が正式な相続人なら、子と同じ扱いだと思いたくなりますよね。私も相続順位の表だけを見れば、順位が付いている人は対象外に感じます。でも、法定相続人であっても2割加算になる人はいます。ここは地味ですが見落としやすいです。

財産を取得する人原則的な見方先に確かめること
兄弟姉妹2割加算の対象実際に財産を取得したか
甥・姪2割加算の対象代襲相続か遺贈か
友人・知人2割加算の対象遺言と取得財産
事実婚のパートナー2割加算の対象法律上の配偶者か
法定相続人かどうかだけではなく、亡くなった人との続柄をたどります。

ただし、財産を何も取得しない人へ加算税額が生じるわけではありません。家系図に名前がある人全員へ20%を付けるのではなく、相続・遺贈や一定の贈与で財産を取得した人を起点にします。

親族が多いと、「とりあえず全員を書いておこう」となりがちですよね。私も漏れが怖くて一覧を大きくしそうです。家系図は広く作り、税額表は取得者だけに絞る。この二枚に分けると、名前の多さに引っぱられにくくなります。

孫は代襲相続人か孫養子かで扱いが変わる

孫の扱いは、2割加算で特に迷いやすいところです。亡くなった人の子が先に亡くなっていた、または相続権を失っていたため、その子の代わりに孫が相続人になる「代襲相続」なら、その孫は原則として2割加算の対象外です。

一方、孫を養子にしている「孫養子」は、法律上は子でも、原則として2割加算の対象です。ただし、その孫養子が同時に代襲相続人でもある場合は、対象外になる扱いがあります。

同じ戸籍に「養子」と書かれていると、普通の養子と孫養子を同じ箱へ入れたくなりますよね。私も一親等という言葉だけなら、全員対象外だと思いそうです。孫の場合は、実の親である子が相続開始時にどういう状態だったかまで線でつなぎます。

孫の立場2割加算判断の手がかり
子が先に死亡し代襲相続する孫原則対象外代襲原因と戸籍
遺言で直接財産を受け取る孫原則対象遺言と取得財産
代襲ではない孫養子原則対象養子縁組と実親の状況
代襲相続人でもある孫養子原則対象外代襲原因を含む家系図
「孫」という呼び方だけで決めず、財産を受け取る法的な道筋をたどります。

孫養子だから必ず対象外、または孫だから必ず2割加算、と一律に決めないでください。

ここまで分岐があると、自分の家族はどちらなのか迷いますよね。私も呼び名だけでは自信が持てません。戸籍上の親子関係と代襲の理由を一枚に書き、例外が重なる人だけ専門家へ聞きます。

遺言で孫へ財産を残す案がある家庭は、税額だけでなく、ほかの相続人の遺留分や納税資金も一緒に並べます。自筆証書遺言の形式や保管方法は、遺言書を作る前に確認したい記事も参考にしてください。

「孫に渡せば相続が一回減るから得」と数字だけで進めるのも少し怖いです。私は節税の計算がきれいでも、子世代の理解や孫本人の管理、将来の介護資金まで崩れるなら急ぎません。家族の目的と税額を別の欄に書いて比べたいです。

計算は税額控除前の各人の相続税額×20%が基本

国税庁が示す基本式は「各人の税額控除前の相続税額×0.2」です。たとえば加算対象者の税額控除前の相続税額が80万円なら、加算額は16万円、加算後は96万円となります。

ここでいう各人の相続税額は、遺産の総額から直接20%を計算した数字ではありません。相続税の総額を実際の取得割合などで各人へ割り振った後の税額を土台にします。

計算例が簡単だと「自分の取得財産×税率×1.2」でよいように見えますよね。私も電卓だけなら、その方が早く感じます。でも相続税は、課税遺産総額、法定相続分による総額計算、実際の取得割合という段階があります。2割加算だけを途中へ差し込まない方が安全です。

説明用の例金額
加算対象者の税額控除前の相続税額80万円
2割加算額80万円×0.2=16万円
加算後の金額96万円
単純化した説明用の例です。実際は申告書全体の計算順序と各種控除を照らします。

配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、贈与税額控除などが関係する場合は、申告書上の順番をたどります。単純に最終納付額へ20%を掛けるだけでは合わないことがあります。

控除名が並ぶと、どこまで自分で追えばよいか迷いますよね。正直、私なら全部を一つの式に押し込みません。「加算前税額」「2割加算」「その後の控除」「納付額」の四行に分け、分からない行だけ税理士へ尋ねます。

死亡保険金や遺贈でも取得者の続柄を見落とさない

2割加算は、遺産分割で受け取る預金や不動産だけの話ではありません。遺贈、死亡保険金などのみなし相続財産、相続時精算課税に関係する財産でも、取得者と続柄によって判定が関わります。

死亡保険金は受取人固有の財産といわれますが、相続税ではみなし相続財産として扱われることがあります。遺産分割協議の対象外だから2割加算も無関係、とは限りません。

銀行口座の一覧だけを見ていると、保険や遺言の財産が別の棚に残りますよね。私も「遺産」と「保険金」を別々に管理すると、取得者ごとの税額へ戻すところで抜けそうです。財産一覧には、財産名と並べて受取人、続柄、受取理由を書きます。

  • 遺産分割で取得する財産
  • 遺言による遺贈財産
  • 死亡保険金などのみなし相続財産
  • 死亡退職金などのみなし相続財産
  • 相続時精算課税に関係する贈与財産

死亡保険金の非課税枠は、受取人が相続人かどうかでも扱いが変わります。保険金と遺産分割を混ぜずに確認したい方は、死亡保険金の相続税を整理する記事も合わせて見てください。

家族のために名義を指定した保険でも、税務上の続柄判定は別に残ります。これ、気持ちとしては同じ「家族へ残すお金」なんですよね。だからこそ、契約の目的と税金の欄を分け、保険会社の支払通知まで一緒に保存しておきたいです。

令和8年分は第4表で取得者と加算額をつなぐ

令和8年中に亡くなった人の相続税申告では、国税庁の令和8年分様式を使います。2割加算は「第4表 相続税額の加算金額の計算書」で、対象者ごとの続柄、税額、加算金額をつなぎます。

令和8年分から様式が変更されているため、古い解説記事や前年のPDFをそのまま使わない方が安心です。亡くなった年に対応する様式一覧から、第1表、第4表、必要な付表をそろえます。

申告書の番号が増えると、どの数字をどこへ写すか不安になりますよね。私も第4表だけ先に完成させようとすると、元になる各人の税額が動いたときに直し忘れそうです。家系図と財産一覧を先に固め、最後に第4表へつなぎます。

  • 亡くなった人との続柄が分かる戸籍
  • 養子縁組や代襲原因が分かる戸籍
  • 遺言書と遺贈財産の一覧
  • 保険金・死亡退職金の支払通知
  • 各人の税額計算と第4表

令和8年中に亡くなった人の申告へ、令和7年分以前の様式をそのまま流用しないでください。

書類を集める順番が分からない方は、相続税の必要書類を三つの箱へ分ける記事も役立ちます。2割加算の資料だけを別管理せず、相続人・財産・特例の資料へ戻すと追いやすくなります。

提出直前に続柄の例外へ気づくと、税額全体を戻ることになります。これ、10か月の期限が近いほどしんどいですよね。孫養子、相続放棄後の遺贈、相続時精算課税、国外居住があるなら、早い段階で戸籍と過去の申告書を税理士へ見せてください。

まとめ:家系図・取得理由・加算前税額の3列で確認しよう

家系図・取得理由・加算前税額を三つのトレーで表した立体イラスト
三つの列へ分けると、2割加算の根拠を家族で共有しやすくなります。

相続税の2割加算は、「孫だから」「法定相続人だから」と呼び名だけで決めると迷います。家系図で続柄を見て、次に財産を取得する理由を確認し、最後にその人の加算前税額へ20%を掛ける。この順番なら、判断の根拠を家族で共有しやすくなります。

私も税金の話になると、早く合計額を出して安心したくなります。でも今回は、先に人と道筋を確かめた方が結局は早いです。とくに孫養子と代襲相続は、家族の呼び方ではなく戸籍上の経緯までたどります。

ここまで読んでも、家族関係が複雑なら一人で結論を出さなくて大丈夫です。まず紙に、取得者、続柄、取得財産、取得理由、加算前税額の五つを書いてみてください。空欄が残ったところが、そのまま相談時の質問になります。

例外が多くて、自分の理解に自信が持てない方もいますよね。家系図の空欄を埋めるところまでで十分です。税額は、その紙を専門家と一緒に見ながら進められます。

最初に作る列書くこと
家系図配偶者・父母・子・孫・兄弟姉妹の関係
取得理由相続・代襲相続・遺贈・保険金・贈与
加算前税額各人の税額控除前の相続税額
三列を先に作り、例外がある人だけ詳しく確かめます。

今日は家系図だけでも十分です。完璧な税額計算まで一気に進めず、「同じ孫でも道筋が違う」と分かれば大きな一歩です。家族の顔を思い浮かべながら、落ち着いて一人ずつ見ていきましょう。

-家族と人生後半