
親の通帳を見つけると、「最後に印字された残高を相続財産へ書けばいいのかな」と思いますよね。預貯金は土地や株より分かりやすく見えますが、定期預金の利息、外貨預金、ネット銀行、家族名義の口座まで考えると、意外と確認することがあります。
私も数字が見えると、早く合計して安心したくなります。不安になるほど情報を集める癖もあるので、通帳や郵便物が増えると、どれが評価資料で、どれが手続き資料なのか分からなくなりそうです。
そこで今回は、2026年8月13日に国税庁などの公式情報を確認し、預貯金の相続税評価をやさしく整理しました。税額を急いで出すより、口座を漏らさず、必要な数字を金融機関へ頼める状態を一緒に作っていきましょう。
最初に覚えるのは、評価の基準日は原則として「相続開始日」、通常は亡くなった日だということです。
預貯金は「今の残高」ではなく死亡日現在で評価する
預貯金の相続税評価では、相続開始日現在の預入残高が土台になります。亡くなった後に葬儀費用を引き出したり、公共料金が落ちたりしても、その後の残高へ置き換えるのではなく、まず死亡日現在へ戻して確認します。
通帳の記帳が死亡日前で止まっていると、その最後の印字額が死亡日残高とは限りません。未記帳の入出金や合算表示があることもあります。金融機関へ「相続税申告のため、相続開始日現在の残高証明書がほしい」と伝えるのが確実です。
通帳に数字があると、それを使いたくなりますよね。私も書類を早く埋めたいときほど、目の前の残高で進めそうです。でも、基準日を一日ずらさないよう、口座一覧の上に死亡日を大きく書いてから数字を集めます。
たとえば、死亡日の翌日に10万円を引き出して葬儀代へ充てたとしても、「翌日の残高に10万円を戻す」という自己流の計算だけで終えません。死亡日残高は残高証明で確かめ、葬儀代は領収書と立替えた人を別に記録します。数字の目的を分けると、家族への説明もしやすくなります。
| 見る数字 | 使い方 | 注意すること |
|---|---|---|
| 死亡日前の通帳残高 | 口座発見の手掛かり | 未記帳取引があり得る |
| 死亡日現在の残高証明 | 評価の土台 | 口座種類と通貨も見る |
| 死亡後の残高 | 入出金や立替えの確認 | 相続税評価の基準額とは分ける |
死亡後に引き出した金額だけを差し引き、後日の残高を相続開始日の評価額にしないでください。
まず全口座を銀行・支店・種類・通貨へ分ける

口座は、銀行名だけでなく支店、口座種類、通貨まで分けます。同じ金融機関にも普通預金、定期預金、積立定期、外貨預金、金銭信託などがあるため、合計残高だけでは必要な評価方法を選べません。
通帳、キャッシュカード、銀行からの郵便物、メール、スマートフォンのアプリ、確定申告書の利息資料などが手掛かりです。亡くなった方のIDやパスワードを使って勝手にログインせず、口座の存在を見つけたら金融機関の相続窓口へ連絡します。
銀行が何社も出てくると、全部へ連絡するのが重く感じますよね。私も一覧が長くなるほど、後回しにしたくなります。まず金額は空欄でよいので、一社一行にして「連絡済み」「書類待ち」だけ付けると進み具合が見えます。
口座番号が分からないと連絡をためらうかもしれませんが、通帳がない場合の照会方法は金融機関によって異なります。見つかったカードや郵便物を手元に置き、「相続人として口座の有無と必要書類を確認したい」と相談すれば、次に用意する物を案内してもらえます。
- 金融機関名、支店名、口座番号
- 普通・定期・積立・外貨などの種類
- 円、米ドルなどの通貨
- 残高証明書の依頼日と受領日
- 既経過利息の計算を頼んだか
口座の場所自体がまだ分からない方は、親の財産を金額より所在から確認する記事も使ってみてください。預金だけで終わらず、不動産、保険、証券、借入金へ同じ一覧を広げられます。
定期預金は死亡日に解約した場合の税引後利息を加える
国税庁によると、預貯金は原則として死亡日現在の預入残高に、その日に解約すると受け取れる既経過利子から源泉徴収税相当額を差し引いた金額を加えて評価します。定期預金、定期貯金、定額貯金は、この利息確認を忘れたくない口座です。
既経過利息は、満期まで持った場合の予定利息ではありません。死亡日に中途解約したと仮定して受け取れる利息です。残高証明書に含まれない場合は、金融機関へ相続開始日現在の既経過利息計算も合わせて依頼します。
定期預金の証書に金利が書かれていると、自分で計算できそうですよね。私も式が見えると試したくなります。でも、中途解約利率や税引きの扱いを取り違えるより、金融機関に基準日を指定して金額を出してもらう方が安心です。
残高証明書を頼むときは、「定期預金について、相続開始日に解約した場合の既経過利息と源泉徴収税相当額が分かる資料もお願いします」と一言添えます。あとから追加依頼する手間を減らせるので、私なら依頼内容を電話メモに残して家族と共有します。
| 定期預金の評価メモ | 確認先 |
|---|---|
| 死亡日現在の預入残高 | 残高証明書 |
| 死亡日に解約した場合の既経過利息 | 既経過利息計算書など |
| 源泉徴収税相当額 | 金融機関の計算資料 |
| 合計した評価額 | 申告用の財産一覧 |
定期預金を元本残高だけで評価せず、死亡日に解約した場合の税引後の既経過利息を確かめましょう。
普通預金は利息が少額なら死亡日残高で評価できる
普通預金、通常貯金、当座預金など定期性のない預貯金は、死亡日現在の既経過利息が少額であれば、その日の預入高で評価できます。国税庁の案内にも、定期預金等以外についてのこの取扱いが示されています。
ただし「普通預金はいつでも通帳の最後の残高でよい」という意味ではありません。まず死亡日残高を確定し、利息が少額という前提で残高のみを使います。利息が大きい特殊な口座や判断に迷う場合は、金融機関や税理士へ聞きます。
例外を読むと、かえって難しく感じますよね。私も「少額とはいくら」と数字を探し続けそうです。一般的な普通預金なら、残高証明書を先に取り、利息計算の要否を金融機関と申告を依頼する税理士へ確認すれば大丈夫です。
家族だけで「この程度なら少額だろう」と線を引くのは迷いますよね。口座種類と残高が分かる資料をそろえ、定期性のある口座が混じっていないかを確かめます。迷った欄にはゼロと書かず、「利息確認中」と残す方が、見落としを防げます。
死亡日当日に入出金がある場合も、残高証明書の基準時点と取引明細を見ます。年金や給与が入った、公共料金が落ちたという取引は、財産の帰属や債務、立替えの確認にもつながるため、残高だけでなく前後の明細を保存します。
口座残高の評価と、亡くなる前後の不自然な引き出しを調べる作業は別です。家族の一人が生活費や葬儀費用として動かしていたなら、日付、金額、用途、領収書を一緒に残し、家族間の精算表へつなげます。
外貨預金は死亡日のTTBなどで円へ換算する
米ドルなどの外貨預金は、外貨の残高をそのまま申告書へ書けません。国税庁の財産評価基本通達では、外貨預金の取引金融機関が特定されている場合、原則としてその金融機関が公表する相続開始日の最終の対顧客直物電信買相場、いわゆるTTBなどで円換算します。
死亡日が土日祝日などで相場がない場合は、それ以前の相場のうち死亡日に最も近い日のものを使います。外貨定期預金なら、円換算の前に外貨での残高と既経過利息も確認し、使った為替レートの資料を保存します。
為替サイトにはTTB、TTS、TTMと似た言葉が並び、迷いますよね。私も相場が一つではないと分かると、都合のよい数字を探してしまいそうです。口座のある金融機関名、基準日、使ったレートを一組で記録します。
円換算の計算表には、外貨残高、既経過利息、採用レート、円換算額を別々の列で置きます。画面を印刷またはPDF保存し、金融機関名と公表日も一緒に残しておけば、後日レートが更新されても「どの数字を使ったのか」をたどれます。
- 外貨の種類と残高
- 普通・定期などの口座種類
- 相続開始日と相場の公表日
- 取引金融機関のTTB等
- 円換算の計算表と出典資料
外貨預金を現在のレートや好きな仲値で円換算せず、相続開始日と取引金融機関に対応する相場を残してください。
残高証明書と通帳は評価・入出金・名義を分けて見る
残高証明書は死亡日残高を確定する資料ですが、それ一枚ですべてが分かるわけではありません。通帳や取引履歴は、死亡日前後の入出金、他口座への振替、家族名義口座への資金移動、保険料や証券会社への支払いを追う手掛かりになります。
金融機関へは、残高証明書のほか、定期預金の既経過利息、必要な期間の取引履歴、口座種類の一覧を出せるか聞きます。相続手続きに要る戸籍や印鑑証明と、相続税評価のための資料は分けてチェックすると漏れにくくなります。
書類が届くほど、同じ紙に見えてきますよね。私も封筒のまま積むと全体を見失います。そこで「評価」「入出金」「名義」「手続き」の四つのクリアファイルへ分け、原本を動かした人と日付も表紙へ書きます。
コピーや画像データの名前も、「銀行名_支店名_死亡日残高」の順にそろえると探しやすくなります。原本を税理士へ渡すときは、渡した日と返却予定を一覧へ書きます。小さな管理ですが、兄弟姉妹から同じ資料を何度も聞かれる負担を減らせます。
相続税申告で集める資料全体は、相続税の必要書類を三つの箱へ分けた記事も参考になります。預貯金だけに時間を使い切らず、不動産、証券、保険、債務、葬式費用と並行して集めましょう。
ネット銀行・家族名義・手元現金も一覧から外さない
ネット銀行は通帳がなく、郵便物も少ないため、家族が存在に気づきにくい口座です。メール、スマートフォンのアプリ、他行口座からの振込、確定申告書、家計メモなどから候補を探し、見つけたら正式な相続窓口へ連絡します。
家族名義の口座も、名義だけで外しません。お金を出した人、通帳や印鑑を管理した人、利息や引き出しを誰が受けたか、贈与の合意があったかなどを見ます。詳しい判断軸は、名義預金を原資・管理・合意から整理した記事へ進んでください。
自分名義の知らない通帳が出てきたら、驚きますよね。私も「名義は自分だから自分のお金」と思いたくなりそうです。でも、分からないまま使わず、通帳、届出印、入出金の経緯を残して税理士へ見てもらいます。
昔のお金の経緯を思い出すのは難しいですよね。家族名義の口座については、誰がいつ入金したか、生活費として渡したのか、贈与として双方が認識していたのかを、分かる範囲で時系列にします。推測を事実のように書かず、「本人に確認できない」「家族の記憶」と区別しておきましょう。
自宅の金庫、財布、封筒にある現金も相続財産です。葬儀代として家族が預かった現金があれば、死亡日現在の手元額、受け取った人、その後の支払いを分けて記録します。現金は残高証明書がないからこそ、家族のメモと領収書が支えになります。
海外の口座、休眠状態の口座、金融機関の合併で名前が変わった口座がある場合は、確認に時間がかかります。申告期限が近いなら一人で探し続けず、候補口座の一覧を持って早めに税理士へ相談しましょう。
まとめ:残高・利息・通貨・名義・資料の5列へ落とそう

預貯金の相続税評価は、通帳の最後の数字を合計する作業ではありません。死亡日現在の残高をそろえ、定期預金の税引後利息、外貨の換算、実質的な名義、根拠資料を口座ごとに確認します。
| 5列メモ | 書く内容 |
|---|---|
| 残高 | 死亡日現在の預入残高 |
| 利息 | 定期性預金の税引後既経過利息 |
| 通貨 | 円・外貨、使った為替相場 |
| 名義 | 名義人、原資、管理者、贈与の経緯 |
| 資料 | 残高証明、通帳、取引履歴、計算資料 |
口座が多いと、全部そろうまで何もできない気持ちになりますよね。私も空欄がある表は落ち着きません。でも、今日できるのは金融機関名と口座種類を書くこと。明日一社へ残高証明を頼めば、十分な前進です。
残高・利息・通貨・名義・資料の五つが並べば、家族にも税理士にも状況を伝えやすくなります。分からない欄を無理に埋めず、確認先と一緒に残していきましょう。