家族と人生後半

相続税の贈与税額控除とは?50代の私が「払った贈与税は全部戻る」と思わない理由

2026年10月17日

贈与記録、相続書類、二つの税印を窓辺に並べた写真風画像

親から生前贈与を受け、贈与税も払っていたら、「相続のときに同じお金へもう一度税金がかかるの?」と気になりますよね。贈与税額控除という言葉を見つけると、払った贈与税が全部戻るようにも感じます。

私も税金の名前が二つ並ぶだけで、同じ家族のお金を二重に数えているようで身構えます。しかも昔の振込や申告書まで探すとなると、どこから手を付けるか迷います。

そこで2026年8月19日に、国税庁のタックスアンサー、基本通達、令和8年分の相続税申告書様式を確認しました。贈与年、贈与者、課税方式、申告書の順に、一緒に見ていきましょう。

先に押さえたいのは、贈与税額控除は「贈与税の全額返金」ではなく、相続税へ加算した贈与財産に対応する税額を調整する仕組みだという点です。

贈与税額控除は生前贈与を相続へ加算するときの二重課税を調整する

相続税の贈与税額控除は、被相続人から生前にもらった財産を相続税の課税価格へ加算するとき、その加算財産についてすでに課された贈与税を相続税額から差し引く仕組みです。贈与と相続の両方で同じ財産へ税負担が重なる部分を調整します。

ただし、昔払った贈与税を家族全員分まとめて返してもらう制度ではありません。誰が被相続人から贈与を受けたか、その財産が今回の相続税へ加算されたか、その財産に対応する贈与税はいくらかを一人ずつ見ます。

「税金を二回払うのはおかしい」と感じますよね。私も納付書の金額だけ見れば、全額をそのまま引きたくなります。でも入口は納付額ではなく、今回加算する贈与財産とのつながりです。

段階見るもの役割
生前贈与贈与財産と贈与税贈与年の申告
相続税の課税価格加算対象の贈与財産贈与時の価額を加算
相続税額対応する贈与税額二重負担になる部分を調整
「払った税」だけでなく、「相続へ加算した財産」とセットで見ます。

贈与税の納付書に書かれた合計額を、そのまま今回の相続税から引かないでください。

相続税がかかる入口から確かめたい方は、相続税の基礎控除を家族単位で見る記事も参考にしてください。課税価格へ加算する段階と、各人の税額から控除する段階を分けると、頭の中が少し落ち着きます。

対象は被相続人から加算対象期間内に贈与を受けた人

暦年課税分の贈与税額控除を考えるのは、相続や遺贈などで財産を取得した人が、今回の被相続人から加算対象期間内に贈与を受けていた場面です。別の親族から受けた贈与まで、同じ相続へまとめるわけではありません。

たとえば父の相続なら、父から子へ行われた贈与をたどります。同じ年に母からも贈与を受けていた場合、贈与税申告書には両方が載っていても、父の相続へ加算する部分と母からの贈与を分けて考えます。

家族内の送金は、あとから見ると誰のお金だったか分かりにくいですよね。私も通帳の摘要だけで数年前の事情を思い出すのは難しいです。贈与契約書、振込口座、贈与税申告書を同じ年ごとに並べた方が追いやすくなります。

  • 贈与した人は今回の被相続人か
  • 受け取った人は今回、相続や遺贈で財産を取得したか
  • 贈与日は加算対象期間に入るか
  • 暦年課税か相続時精算課税か
  • 贈与税申告書と納付記録があるか

贈与したつもりでも、通帳や印鑑を親が管理し続けていたなら、そもそも贈与が成立していたか、名義預金ではないかという別の論点も出ます。税額控除の計算へ急がず、誰が管理していたお金かを先に確かめたいです。

生前贈与そのものの記録方法が気になる方は、年110万円だけで生前贈与を決めない記事も合わせて見てください。贈与の成立、年ごとの合計、相続時の加算を一本の履歴でつなげられます。

令和8年開始の相続は3年以内で7年を一律に当てはめない

3年から7年へ伸びる時間軸を木と布のリボンで表した立体イラスト
相続開始日によって、確認する贈与期間が変わります。

2024年1月1日以後の暦年課税による贈与は、相続税へ加算する対象期間が段階的に7年へ延びます。ただし、2026年中に開始した相続へ、最初から過去7年分を一律に当てはめるわけではありません。

国税庁の案内では、相続開始日が2026年12月31日までなら相続開始前3年以内です。2027年1月1日から2030年12月31日までは2024年1月1日から相続日まで、2031年1月1日以後は原則として相続開始前7年以内になります。

「7年に延びた」と聞くと、今すぐ7冊分の通帳を探したくなりますよね。私も不安になると情報を集めすぎて、かえって確認範囲を広げてしまいます。まず亡くなった日を紙の右端へ書き、そこから対象期間を戻す方が安心です。

相続開始日暦年課税分の主な加算対象期間先にすること
2026年12月31日まで相続開始前3年以内死亡日から3年前へ戻る
2027年1月1日〜2030年12月31日2024年1月1日から相続日まで経過措置を日付で確認
2031年1月1日以後原則7年以内3年超部分の100万円控除も確認
制度改正の見出しではなく、実際の相続開始日から対象期間を決めます。

2026年に始まった相続へ「7年分をすべて加算」と機械的に当てはめないでください。

3年を超える部分が対象になる相続では、その部分の贈与財産価額の合計から受贈者ごとに総額100万円を控除する扱いがあります。毎年100万円ではありません。日付と合計単位が混ざりやすいので、ここは第14表の記載要領へ戻ります。

110万円以下は加算されても控除する贈与税がない場合がある

暦年課税の基礎控除は、受贈者が1年間にもらった財産の合計に対して110万円です。加算対象期間内の贈与は、贈与税がかかったかどうかにかかわらず、相続税の課税価格へ加算されるものがあります。

そのため、父から100万円を受け取り、その年にほかの贈与がなく贈与税が0円だったとしても、父の相続で加算対象期間に入れば、贈与財産の価額は加算対象になり得ます。一方、払った贈与税がなければ、その100万円だけから生じる控除税額もありません。

申告しなかった少額の贈与なら、相続にも関係ないと思いたくなりますよね。私も毎年の家族送金まで記録するのは大げさに感じます。でも「贈与税申告が不要」と「相続税へ加算しない」は別の話です。

反対に、贈与税の配偶者控除、住宅取得等資金の非課税、教育資金・結婚子育て資金の非課税など、一定の加算対象外があります。ただし管理残額など別の扱いが出る制度もあるため、非課税という名前だけで一覧から消さない方が安全です。

  • 110万円以下でも対象期間内の贈与記録を残す
  • その年に別の人から受けた贈与も確認する
  • 非課税制度を使った場合は申告書・契約書を残す
  • 教育・結婚子育て資金は管理残額の有無を確認する

数字が小さいほど後回しにしやすいんですよね。正直、私も大きな不動産や預金から先に見たくなります。けれど贈与履歴は時間がたつほど思い出せなくなるので、金額順ではなく年順で並べる方が現実的です。

控除額は年ごとに加算財産へ対応する贈与税を分ける

控除する贈与税額は、相続税の課税価格へ加算された贈与財産に対応する贈与税です。贈与のあった年分ごとに計算し、その年に複数の人から贈与を受けていたときは、今回の被相続人からの加算財産に対応する部分を分けます。

同じ年に父と母から贈与を受け、贈与税を一つの申告書で計算していたら、父の相続で申告書の納付税額を丸ごと使うことはできません。一般税率・特例税率が混じる場合や、複数年の贈与がある場合は、第14表の計算欄で年ごとにたどります。

昔の納付書が1枚見つかると、「これで終わり」と安心したくなりますよね。私も書類が見つかった達成感で、誰からの贈与かを飛ばしそうです。申告書第一表、贈与財産の明細、振込記録まで一組にしておきたいです。

控除へ含めるのは、対象財産に対応する本税です。国税庁は加算税、延滞税、利子税を控除額へ含めないと示しています。期限後申告や修正申告がある場合は、最終的に確定した贈与税の本税を確認します。

本税と延滞税が同じ納付書に見えると、分けるのは面倒ですよね。私も合計額だけ転記したくなりますが、内訳が読めないところは丸で囲み、税理士へ聞く欄として残します。

贈与税の加算税・延滞税・利子税まで、贈与税額控除へ含めないでください。

家族関係によって相続税の2割加算も関係するなら、誰の税額へ2割を加えるかを見る記事も役立ちます。税額の計算順を飛ばさず、加算前・加算後・控除を別の行へ置くと追いやすくなります。

暦年課税と相続時精算課税では控除・還付の扱いが違う

贈与税額控除には、暦年課税分と相続時精算課税分があります。暦年課税分は、加算対象期間の贈与財産に対応する贈与税を調整します。相続時精算課税分は、特定贈与者から受けた適用財産を相続時に精算する流れです。

相続時精算課税では、すでに納めた贈与税相当額を相続税額から控除します。国税庁は、相続税額から控除しきれない金額について、相続税の申告をすることで還付を受けられると案内しています。

同じ「贈与税を引く」なら、どちらも返金されるように聞こえますよね。私も制度名だけで処理をまとめたくなります。でも還付の扱いまで同じではないので、最初に課税方式を分けるのが近道です。

区分相続時の主な扱い主な申告表
暦年課税加算財産に対応する贈与税を控除第14表
相続時精算課税適用財産を加算し、納付済み贈与税を精算第11の2表
控除しきれない額相続時精算課税分は申告により還付の場合あり第1表の付表2など
課税方式を分けてから、控除と還付の扱いを確認します。

相続時精算課税は、一度選ぶと同じ特定贈与者からの贈与を暦年課税へ戻せません。昔の贈与税申告書に第二表や選択届出書があれば、自己判断で暦年課税の箱へ移さず、そのまま税理士へ見せてください。

制度を選んだ記憶が家族になくても不思議ではありません。贈与した親と、申告した子で書類の保管場所が違うこともあります。分からないときは「未確認」と書き、税務署の申告記録や税理士の控えをたどれば大丈夫です。

第14表と第11の2表は贈与税申告書からつなぐ

令和8年分の相続税申告では、暦年課税分の加算財産と贈与税額控除を第14表で整理します。相続時精算課税適用財産とその贈与税額控除は第11の2表へつなぎ、各人の税額は第1表や税額控除の明細へ反映します。

書式から始めるより、贈与税申告書を年ごとに並べる方が先です。贈与者、財産、贈与時の価額、適用した非課税・控除、納めた本税を拾い、その後に相続開始日から見た対象期間へ印を付けます。

昔の申告書が見つからないと、申告そのものが止まるようで焦りますよね。正直、私も空欄があると落ち着きません。ただ、記憶で税額を埋める方があとでしんどいです。「なし」ではなく「不明」と書き、確認先を残します。

  • 贈与契約書、振込記録、受贈口座の通帳
  • 各年の贈与税申告書第一表・第二表
  • 相続時精算課税選択届出書
  • 贈与税の納付書、修正申告書、更正通知
  • 非課税制度を使ったときの申告書と契約資料
  • 相続開始日と今回取得した財産の一覧

相続税の資料全体を集める順番がまだ曖昧なら、必要書類を三つの箱へ分ける記事も参考にしてください。贈与資料だけを別の場所へ置かず、相続人・財産・特例の資料へつなげると見失いにくいです。

贈与者が複数、相続時精算課税、非課税制度、期限後申告が一つでも重なるなら、数字を埋め切る前に税理士へ相談した方が安心です。完成した表より、分からないところが見える一覧の方が相談では役立ちます。

まとめ:贈与年・贈与者・制度・申告書の4列から始めよう

贈与年・贈与者・制度・申告書を四つの木製台帳で表した立体イラスト
四つの列がそろうと、加算と控除をつなぎやすくなります。

相続税の贈与税額控除は、払った贈与税を一律に返す制度ではありません。今回の相続税へ加算する贈与財産を特定し、その財産に対応する贈与税を課税方式ごとに分けて調整します。

まず紙を四列にして、「贈与年」「贈与者」「暦年課税か相続時精算課税か」「申告書・納付記録」を書いてみてください。令和8年開始の相続は3年以内が入口なので、7年という見出しだけで確認範囲を広げません。

私も不安になると、検索タブを増やして全部理解したくなります。でも情報が増えるほど、誰からの贈与を見ているか分からなくなるんですよね。四列が埋まれば、分からない部分だけを税理士へ聞けます。

今日やることは、家族の金庫や書類箱から贈与税申告書を1年分だけ探すことで十分です。見つからなくても、贈与した人とおおよその年をメモできれば前へ進んでいます。いきなり正しい控除額まで出さなくて大丈夫です。

贈与の記録を一枚へ集めることが、相続税の加算漏れと控除漏れを同時に減らす最初の一歩です。

-家族と人生後半