家族と人生後半

相続税の障害者控除はいくら?50代の私が「手帳があれば同じ」と決めない理由

2026年10月15日

手帳ケース、年齢目盛り、電卓、相続書類を窓辺に並べた写真風画像

相続人に障害のある方がいると、「相続税の障害者控除が使えるらしい」と聞いても、何を基準に判断するのか迷いますよね。手帳があれば全員同じなのか、本人の税額が少なければ控除は消えるのかも気になるところです。

私も制度名だけを見ると、家族の事情を税金の区分へ当てはめるようで、少し身構えます。本人の暮らしや尊厳を大切にしながら、申告で使える制度は落ち着いて確認したいです。

そこで2026年8月18日に、国税庁のタックスアンサー、対象者のQA、令和8年分の申告書様式を確認しました。本人、障害区分、年齢、扶養義務者の順に、一緒に見ていきましょう。

最初に押さえたいのは、障害者控除は遺産全体から引くのではなく、要件を満たす本人の相続税額から差し引く税額控除だという点です。

障害者控除は遺産額ではなく本人の相続税額から引く

相続税の障害者控除は、一定の要件を満たす障害者が相続や遺贈で財産を取得したとき、その人について計算された相続税額から一定額を差し引く制度です。遺産総額や課税遺産総額から先に差し引く基礎控除とは、入る場所が違います。

まず相続税の総額を計算し、実際に取得した財産の割合などで各人へ税額を分けます。その後に、障害者本人の税額から障害者控除を差し引きます。本人から引ききれないときは、一定の扶養義務者へ回せる場合があります。

同じ「控除」と書かれていると、遺産からまとめて引きたくなりますよね。私も基礎控除と同じ表へ入れた方が早そうに感じます。でもここは、家族全体の財産と、本人の税額を別の段に置いた方が混乱しません。

見る制度差し引く場所見る単位
相続税の基礎控除課税遺産総額を計算する前遺産全体
障害者控除各人の相続税額を計算した後障害者本人など
制度名ではなく、計算のどこへ入れるかを分けて見ます。

障害者控除額を、相続財産の総額から直接差し引かないでください。

相続税がかかるかどうかの入口から見たい方は、相続税の基礎控除をやさしく確認する記事を先に読むと、二つの控除を混ぜずに済みます。税額が出るまでと、税額が出た後を分ければ大丈夫です。

対象は障害者・法定相続人・国内住所などの要件を満たす人

国税庁は、障害者控除を受ける人について、相続や遺贈で財産を取得した時点で一定の障害者であること、法定相続人であること、原則として日本国内に住所があることなどを示しています。年齢については、控除額が生じるのは85歳未満です。

法定相続人の判定では、相続放棄があっても、放棄がなかったものとして見る扱いがあります。ただし、親族なら誰でも使える制度ではありません。遺言で財産を受け取る人が法定相続人に当たらない場合、障害があっても年齢だけでは決められません。

家族に障害があれば自動で使えると思いたくなりますよね。私も「支援のための制度なら広く使えるはず」と考えそうです。でも税務上は、本人が何を取得したか、法定相続人か、相続開始時にどこに住所があったかを一つずつ見ます。

  • 相続・遺贈で財産を取得したか
  • 相続開始時に障害者に当たるか
  • 法定相続人に当たるか
  • 相続開始時の年齢は85歳未満か
  • 国内住所などの要件を満たすか

国外で暮らす相続人、二重国籍、被相続人が海外居住だった家庭では、納税義務の範囲が複雑です。住民票だけを見て決めず、相続開始日の住所歴や国籍を時系列にして税理士へ見せた方が安心です。

条件が並ぶと、どこか一つ外れたら終わりなのかと焦りますよね。正直、私も検索結果をいくつも開くほど不安が増えることがあります。まずは五つの欄を作り、分からないところを空欄のまま相談材料にしてみてください。

一般障害者と特別障害者は手帳・判定資料で分ける

障害者控除には、一般障害者と特別障害者の区分があります。国税庁のQAでは、精神障害者保健福祉手帳、身体障害者手帳、知的障害の判定、戦傷病者手帳、市町村長等の認定など、複数の判定ルートが示されています。

たとえば身体障害者手帳は1級・2級、精神障害者保健福祉手帳は1級などが特別障害者に当たる代表例です。成年被後見人についても、東京国税局は一定の場合に相続税法上の特別障害者へ該当する考え方を示しています。

手帳の色や普段の介助量だけで決めてよいのか、迷いますよね。私も家族の生活を知っているほど、「制度の等級だけでは表せない」と感じます。それでも申告では、相続開始時に有効な手帳や判定資料へ戻った方が安心です。

資料の例先に見ること注意したいこと
身体障害者手帳等級と交付日1級・2級など区分を確認
精神障害者保健福祉手帳等級と有効期間相続開始時の状態を確認
療育手帳等判定区分と自治体名名称・表記が自治体で異なる
成年後見の資料審判と登記事項後見・保佐・補助を同じにしない
市町村長等の認定認定内容と時点介護認定だけで決めない
生活上の呼び方ではなく、税法上の区分を資料で確かめます。

障害年金を受けている、要介護認定がある、通院しているという事実だけで、相続税の一般障害者・特別障害者が自動的に決まるとは限りません。逆に、手帳以外の判定ルートが関わる方もいます。

「障害年金を受給しているから対象」「手帳がないから対象外」と、どちらも一つの資料だけで決めないでください。

家族の情報を集めるときは、本人の同意や保管方法にも配慮したいです。私も税金のためとはいえ、手帳のコピーを家族の共有フォルダへ無造作に置くのは避けます。必要な人だけが見られる形で、税理士へ渡す資料を分けましょう。

控除額は85歳まで年10万円・特別障害者は年20万円

85歳へ続く一般障害者と特別障害者の二つの木製レーンを表した立体イラスト
一般・特別の区分で、1年あたりの控除額が変わります。

一般障害者の控除額は、満85歳になるまでの年数1年につき10万円です。特別障害者は1年につき20万円です。85歳までの期間に1年未満の端数があるときは、切り上げて1年として計算します。

説明用の例として、相続開始時に満60歳の一般障害者なら、85歳まで25年なので250万円です。同じ年齢の特別障害者なら500万円です。満84歳6か月なら残り6か月ですが、1年に切り上げ、一般は10万円、特別は20万円となります。

250万円や500万円という数字を見ると、税額がそのまま同額戻るように感じますよね。私も控除額が大きいほど安心したくなります。でも本人の相続税額、扶養義務者の税額、過去の控除歴によって、実際に使える額は変わります。

説明用の年齢一般障害者特別障害者
60歳10万円×25年=250万円20万円×25年=500万円
70歳10万円×15年=150万円20万円×15年=300万円
84歳6か月10万円×1年=10万円20万円×1年=20万円
85歳0円0円
単純化した説明用の例です。相続開始時の年齢と障害区分を使います。

年齢は相続開始時、つまり亡くなった日を基準にします。申告書を提出する日の年齢ではありません。誕生日が近い場合は、生年月日と相続開始日を並べ、1年未満の端数まで確かめます。

計算自体は掛け算ですが、区分を間違えると金額が倍変わります。これ、数字だけ追うと怖いですよね。正直、私なら先に電卓をたたかず、手帳等の区分と基準日を紙の上に書いてから計算します。

本人から引ききれない額は扶養義務者へ回せる場合がある

障害者控除額が本人の相続税額より大きいと、本人だけでは全額を引ききれません。その引ききれない部分は、障害者本人の扶養義務者に相続税額がある場合、その税額から差し引けることがあります。

扶養義務者には、配偶者、直系血族、兄弟姉妹のほか、一定の3親等内の親族が含まれます。健康保険の扶養に入れている人だけ、同居している人だけ、という意味ではありません。

余った控除を「普段いちばん面倒を見ている人」へ移す制度だと思いやすいですよね。私も家族の貢献度で分けたくなりそうです。でも相続税では、まず税法上の扶養義務者かを見て、複数いる場合の配分を第6表でつなぎます。

説明用の例金額
本人の障害者控除前の相続税額120万円
計算上の障害者控除額300万円
本人から控除する額120万円
引ききれない額180万円
引ききれない180万円は、要件を満たす扶養義務者の相続税額から控除できる場合があります。

扶養義務者が複数いても、全員の税額から同じ額を重ねて引くことはできません。誰へいくら配分したかが分かるようにし、本人の税額と家族の税額を別々に残します。

引ききれない控除額を、親族なら誰へでも自由に移せるわけではありません。

税額が下がる話は、家族の取り分まで動くように聞こえることがありますよね。私も「誰が得したか」という話へしたくありません。財産の分け方と税額控除を別の紙にし、本人を中心に落ち着いて共有したいです。

過去の障害者控除と区分変更は前回申告書まで見る

同じ障害者が過去の相続でも障害者控除を受けている場合、今回使える金額が制限されることがあります。今回の年齢だけで通常額を計算し、その全額を新しく使えるとは限りません。

前回に本人の税額から引いた額だけでなく、扶養義務者の税額から引いた額も確認します。前回は一般障害者、今回は特別障害者というように区分が変わった場合、単純な引き算では合わないことがあります。

何年も前の申告書なんて、すぐには出てきませんよね。私も書類箱を前にすると、今回分だけで進めたくなります。でも過去の第1表・第6表が見つかれば、税理士への説明がぐっと短くなります。

  • 前回の相続開始日
  • 前回と今回の満年齢
  • 前回と今回の障害区分
  • 本人が実際に受けた控除額
  • 扶養義務者が実際に受けた控除額
  • 前回の第1表・第6表

前回申告を依頼した税理士が分かるなら、控えの所在も聞いてみてください。税務署へ相談するときも、申告した税務署、相続開始年、被相続人の氏名を一行にしておくと話が進みやすいです。

過去の書類がないと、制度を使えないようで不安になりますよね。正直、私も空欄があると落ち着きません。ただ、推測で埋める方があとでしんどいです。見つからない欄には「不明」と書き、確認先まで残しておきましょう。

令和8年分は第6表・第8の8表と証明資料をつなぐ

令和8年中に亡くなった人の相続税申告では、国税庁の令和8年分様式を使います。障害者控除は第6表「未成年者控除額・障害者控除額の計算書」で計算し、第8の8表「税額控除額及び納税猶予税額の内訳書」などへつなぎます。

第6表へ書く前に、障害者本人の氏名、年齢、一般・特別の区分、控除前税額、引ききれない額、扶養義務者への配分をそろえます。手帳等の写し、戸籍、過去の申告書も同じ束へ入れます。

申告書の枠があると、順番に埋めれば正解になるように見えますよね。私も書式から始める方が作業した気になります。でも元になる区分や過去利用が曖昧なら、きれいに埋まっていても数字はずれます。

  • 相続人関係が分かる戸籍
  • 相続開始時の年齢が分かる資料
  • 障害区分が分かる手帳・判定資料
  • 本人と扶養義務者の税額計算
  • 過去の相続税申告書
  • 令和8年分の第6表・第8の8表

令和8年分から相続税申告書の様式が変更されています。前年以前のPDFを保存している方も、亡くなった年に対応する国税庁の様式一覧へ戻ってください。

書類が多くて分け方に迷う方は、相続税の必要書類を三つの箱へ分ける記事も使ってください。人の資料、財産の資料、控除・特例の資料に分けると、第6表へ戻りやすくなります。

手帳の更新中、認定日が相続開始後、国外住所、過去利用、区分変更がある場合は、家族だけで結論を急がない方が安心です。これ、期限が近づくほど「たぶん大丈夫」で進みたくなりますよね。私も迷う欄ほど、早めに税理士へ見せます。

どこまで自分で進めるか迷う方は、相続税を自分で申告しやすいケースを分ける記事も見てください。本人の区分や過去利用に迷いがあるなら、途中確認だけ専門家へ頼む方法もあります。

まとめ:本人・区分・年齢・扶養義務者の4列から始めよう

本人・区分・年齢・扶養義務者を四つの布張りトレーで表した立体イラスト

相続税の障害者控除は、手帳があるかだけで決まりません。本人が財産を取得したか、法定相続人か、障害区分は一般・特別のどちらか、85歳まで何年あるか、引ききれない額を受ける扶養義務者がいるかを順にたどります。

私も不安になると、制度のページをいくつも開いてしまいます。でも情報が増えるほど、本人の状況と一般例が混ざるんですよね。今回は「本人・区分・年齢・扶養義務者」の四列だけを先に埋める方が、落ち着いて相談できます。

家族の障害や介護に関わる情報は、とても個人的です。税額を下げることだけを急がず、誰が資料を見るのか、本人へどう説明するのかも一緒に決めておきたいです。

最初の4列書くこと
本人財産取得・法定相続人・住所
区分一般・特別と根拠資料
年齢相続開始日の満年齢
扶養義務者続柄・税額・配分候補
四列が見えると、計算と家族への配慮を一緒に進められます。

全部を今日決めなくても大丈夫です。まず本人の欄へ名前を書き、分からないところに印を付けてください。その一枚が、税理士へ聞く質問と、家族で話す順番を教えてくれます。

-家族と人生後半