定年前の働き方

60歳以降に働くと年金は減る?50代の私が65万円基準より先に確認したいこと

2026年9月5日

年金通知書と勤務予定表と給与明細を並べて確認する机

「60歳を過ぎて会社で働くと、せっかくの年金が減るらしい。だったら働く時間を減らした方が得なのか」と迷っていませんか。

私も完全リタイアは目標ですが、定期的な給料がなくなるのは正直怖いです。少し働けば家計は安定しますし、資産の取り崩しも抑えられます。一方で、年金が止まると聞くと、働いた分が無駄になるように感じますよね。

結論から言うと、60歳以降に働いても年金が一律に減るわけではありません。在職老齢年金で調整されるのは主に老齢厚生年金で、老齢基礎年金は対象外です。2026年度は、老齢厚生年金の基本月額と、賞与を含む賃金の月額換算を足して65万円を超えるかが基準になります。

ただし、「月給65万円までなら大丈夫」ではありません。年金も足し、賞与も12分の1して計算します。ここでは一緒に、減る金額だけでなく、給与の手取り、働いた期間で増える年金、自由時間、健康まで同じ紙で比べていきます。

60歳以降に働いても、年金が一律に減るわけではない

「在職老齢年金」と聞くだけで、働いたら年金を取り上げられるように感じて身構えませんか。私も最初は、働いた分がそのまま損になる制度なのかと不安になりました。実際は、老齢厚生年金を受けながら厚生年金に加入して働く人などについて、賃金と年金の額に応じて老齢厚生年金の一部または全部を支給停止する仕組みです。

名前だけでは年金全体が減るように見えますよね。でも、対象になる年金と、ならない年金を分けると、少し落ち着いて見られます。

年金・収入在職老齢年金の判定
老齢厚生年金の報酬比例部分基本月額として対象
老齢基礎年金支給停止の対象外
経過的加算額支給停止の対象外
加給年金額基本月額から除く。ただし老齢厚生年金が全額停止の場合は注意
給与・賞与総報酬月額相当額として対象
基金・共済の加入歴などで計算が複雑になる場合は、日本年金機構や各制度の窓口へ確認します。

働いたら年金全体が減るのではなく、条件に当てはまると老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になります。

私は老齢基礎年金まで全部止まると思うと、働く意味までなくなったようで怖くなります。だから最初に、ねんきん定期便や年金見込額を、老齢基礎年金と老齢厚生年金に分けて見たいです。

60〜64歳で特別支給の老齢厚生年金を受ける人も制度の対象になり得ますが、対象となる生年月日や加入歴は限られます。自分が受け取れる前提で計算せず、年金請求書や年金事務所で確認したいところです。

「70歳を過ぎればもう関係ない」と思いやすいところですよね。70歳以降は厚生年金の被保険者ではなくなりますが、厚生年金の適用事業所で働く場合、在職による支給停止の対象になることがあります。年齢だけで外れる制度ではありません。

2026年度は「老齢厚生年金+賃金」が月65万円を超えるかで見る

老齢厚生年金と給与と賞与を一つの天秤で比べる立体イラスト
老齢厚生年金の基本月額と、給与・賞与を含む総報酬月額相当額を合わせて見ます。

2026年4月から、在職老齢年金の支給停止調整額は、前年度の51万円から65万円へ上がりました。ニュースでは成立時の62万円という数字も見かけましたが、これは2024年度価格で示された額です。2026年度に実際に使う基準は65万円です。

ここ、数字が何度も変わっていてややこしいですよね。私も検索結果に47万円、50万円、51万円、62万円と並ぶと、どれを信じればよいのか迷います。古い記事の数字をそのまま使わず、計算する年度の日本年金機構のページを開きたいです。65万円も固定ではなく、毎年度、賃金の変動に応じて改定されます。

2026年度の基本は次のとおりです。

  • 基本月額+総報酬月額相当額が65万円以下:老齢厚生年金は全額支給
  • 合計が65万円超:超えた額の2分の1を老齢厚生年金から支給停止

基本月額は、加給年金額を除く老齢厚生年金の報酬比例部分の月額です。年金の年間合計を12で割るだけではなく、何が基本月額に入るのかを年金額改定通知書などで見ます。

これ、「給与が65万円まで」と勘違いしやすいですよね。65万円は、老齢厚生年金の基本月額と、賞与を含む総報酬月額相当額の合計です。

たとえば老齢厚生年金の基本月額が10万円なら、総報酬月額相当額が55万円で合計65万円です。この範囲なら、2026年度の在職老齢年金による支給停止はありません。同じ賃金でも、基本月額が違えば結果は変わります。

私は65万円の線だけ追っていると、肝心の「毎月いくらあれば暮らせるか」を忘れそうになります。50代のうちに年金と生活費の差を見ておくなら、50代の老後資金をわが家の数字で考えた記事を使い、年金見込額、退職時期、生活費を分けておくと、再雇用の給与案と比べやすくなります。

月収ではなく、標準報酬月額と直近1年の賞与を使う

再雇用の給与が月40万円と聞き、「年金と足しても65万円以下だ」と計算したくなりますよね。ところが、在職老齢年金で使う賃金は、手取り月収でも、その月の振込額でもありません。

総報酬月額相当額は、その月の標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額の合計÷12です。賞与が年2回なら、その標準賞与額の合計を12で割って毎月分へ直します。

たとえば標準報酬月額が45万円、直近1年の標準賞与額合計が120万円なら、賞与の月額換算は10万円です。総報酬月額相当額は55万円になります。毎月の給与だけ見れば45万円でも、判定に使う賃金は55万円です。

確認する数字説明用の例確認先
標準報酬月額45万円給与明細、ねんきんネット、勤務先
直近1年の標準賞与額合計120万円賞与明細、ねんきんネット、勤務先
賞与の月額換算120万円÷12=10万円自分で概算
総報酬月額相当額45万円+10万円=55万円自分で概算後、必要に応じ窓口確認
表は仕組みを理解するための説明用の例です。実際は自分の標準報酬月額・標準賞与額で計算します。

正直、普通の家計管理より一段分かりにくいです。しかも給与が変わった月、賞与の時期、退職・再雇用の切り替えで支給停止額が変わることがあります。手取り額から正確に逆算しようとせず、勤務先に標準報酬月額と賞与の扱いを聞く方が早いです。

支給停止を避けるために賞与だけを別の形にすればよい、という単純な話でもありません。報酬の扱いは会社の制度や社会保険のルールに沿います。自分で都合よく外せる前提にしない方が安全です。

私も再雇用の条件表に数字が並んだら、何から見ればよいのか迷うと思います。月給、賞与見込、標準報酬月額、週の勤務日数、社会保険の加入だけ一枚に移せば、翌年に見直すときも前提をたどりやすくなります。

計算例で見る。超えた5万円の半分が支給停止になる

式だけでは実感しにくいので、2026年度の説明用の例で見ます。基本月額12万円、総報酬月額相当額58万円とします。合計は70万円です。

これ、式を一度見ただけでは分かりにくいですよね。私も「超えたら全部止まるのか」を先に確かめたくなります。

  • 基本月額12万円+総報酬月額相当額58万円=70万円
  • 70万円-基準65万円=5万円超過
  • 5万円÷2=2万5,000円を支給停止
  • 老齢厚生年金12万円-2万5,000円=9万5,000円を支給

老齢基礎年金は、この支給停止とは別に全額支給されます。ここを一緒に減らさないようにします。実際には基金、共済、加給年金、改定時期などで確認事項が増える場合があります。

基準を超えた分がそのまま全部なくなるのではなく、超えた額の2分の1が老齢厚生年金から支給停止になります。

「2万5,000円も止まるなら、5万円分働かない方が得」と感じるかもしれません。でも、賃金が5万円増え、年金が2万5,000円止まる例なら、税・社会保険を無視した額面の合計は2万5,000円増えています。支給停止があるだけで、働くほど合計収入が逆転して減る仕組みではありません。

もちろん、手取りは所得税、住民税、社会保険料で変わります。通勤費、昼食費、仕事着、疲労回復に使うお金もあります。額面の増加が、そのまま生活の余裕になるとも限りません。ここは年金だけ切り取らず、働くための支出も含めて見たいです。

反対に、勤務日数を減らせば通勤や昼食の支出は下がっても、社会保険の加入条件や会社の福利厚生が変わるかもしれません。配偶者の健康保険、税の扶養、雇用保険など、世帯全体へ波及する項目もあります。年金の支給停止額だけ合った表では、家計の答えとしてはまだ足りないんですよね。

私も一つの窓口ですべて分かると思いたくなりますが、会社と年金では見ている数字が違います。人事・給与担当には「この働き方で標準報酬月額と賞与はどうなるか」、年金事務所には年金側の試算を分けて聞きたいです。同じ前提年、同じ勤務案で数字をそろえます。

また、老齢厚生年金が全額支給停止になると、加給年金額が支給されない場合があります。配偶者の条件を含めて加給年金が関係しそうなら、簡易計算で終わらせず年金事務所へ相談したいです。

働き続けた期間は、その後の厚生年金にも反映される

在職老齢年金の話は「今いくら止まるか」に目が行きます。でも、厚生年金へ加入して働けば、保険料を負担する一方、その加入期間はその後の年金額にも反映されます。

私は、今月の支給停止だけを見て働く日数を決めるのは少し怖いです。今の手取りと、数年後の年金の両方を並べて見たいところです。

これ、目先の年金だけを見ていると見落としやすいですよね。

65歳以上70歳未満で厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受けている人は、毎年9月1日を基準に、前年9月から当年8月までの加入期間を加えて年金額が再計算され、原則10月分から反映されます。これが在職定時改定です。

今月の年金が一部止まることと、働いた期間で将来の年金が改定されることは、別の動きです。どちらかだけを見て「働くと損」「働けば必ず得」と決めると、判断が偏りますよね。

70歳以降は厚生年金の被保険者ではないため、その後の勤務期間は年金額の再計算には反映されません。一方、適用事業所で働く場合は、在職老齢年金の支給停止判定が続くことがあります。70歳を境に、保険料、年金改定、支給停止を分けて見ておきたいです。

年金を繰り下げる予定の人も注意したいです。繰下げ待機中に在職老齢年金で支給停止になるはずだった部分は、繰下げ増額の対象にならない扱いがあります。働きながら繰下げれば、すべての厚生年金が同じ率で増えるとは限りません。

これ、繰下げれば全部同じように増えると思っていると見落としやすいですよね。支給停止される部分が増額対象になるかは、年金事務所で個別に尋ねたいです。

年金開始前後の生活費が曖昧なら、退職後の生活費を最低生活費・楽しみ費・別枠支出に分けた記事を先に見ると、働く収入で何を補いたいのかが分かります。在職老齢年金の試算にも、その生活費を使います。

私なら減額回避だけでなく、手取り・時間・健康の三案を比べる

60歳以降の働き方を収入と時間と健康の三方向で比べる立体イラスト
年金の減額だけでなく、手取り、自由時間、続けやすさを同じ紙で比べます。

ここまで制度を追うと、「結局、いくらまでなら働いてよいの」と疲れてしまいませんか。でも、最後に決めたいのは年金の境界線ではなく、60歳以降をどう暮らしたいかです。

私自身、定期給与がなくなるのは怖い一方、毎日同じ強さで働き続けたいわけでもありません。自分で時間をコントロールし、時々働ける暮らしに関心があります。だから、年金の最大化だけでなく、自由時間がどれだけ残るかも同じくらい大切です。

比較案確認する収入時間・健康見直す時期
今に近い日数で働く給与、賞与、支給停止後年金、社会保険通勤、疲労、家族時間3か月後
週4日などへ減らす手取り、年金、勤務先制度平日の余白、回復日3か月後
短時間・小さな仕事へ移る収入の変動、保険、資産取り崩し自由度、仕事の張り合い毎月確認
金額は勤務先条件と個人の年金見込額を入れて比べます。

三案には、支給停止額だけでなく、給与の手取り、社会保険、働いた期間による年金増、通勤費、仕事用支出を入れます。その横に、週の自由時間、疲れ、やりたいことへ使える日数を書きます。

会社を辞めたい気持ちと給与を失う怖さの間で、同じように迷っていませんか。定年まで同じ働き方を続けない選択肢を考えた記事が土台になります。在職老齢年金は、その中の一つの条件として加えれば十分です。

会社の提示条件がまだ出ていない50代なら、今から正確な支給停止額を当てる必要はありません。ねんきん定期便の老齢厚生年金、現在の標準報酬月額、賞与、希望する勤務日数を使い、ざっくり三案を作れば十分です。

私は、60歳以降に働くかを「年金を減らさない」だけでは決めたくないと思っています。「手取りと時間の両方を残せるか」を大切にしたいです。

まずは、自分の老齢基礎年金と老齢厚生年金、勤務先の給与・賞与・標準報酬月額を一枚に書くところからで十分です。いきなり働き方を決めなくても大丈夫です。私も「働くと損らしい」という不安を、その紙の上で手取り、時間、健康の三つへ分けながら考えていきたいです。

-定年前の働き方