50歳からの資産設計

新NISAが暴落したら売るべき?50代の私が「下がった日」に決めない理由

2026年9月6日

下落する相場画面と家計ノートを前に新NISAの売却を考える机

新NISAの評価額が大きく下がると、「もっと減る前に売った方がいいのでは」と落ち着かなくなりませんか。

私も相場が荒れたときは、損失額そのものより「このポートフォリオで本当によかったのか」と自分の判断を疑うのがつらいです。売らずに耐えた経験はありますが、不安にならないわけではありません。

だから私は、「暴落したら売らない」と気合いで決めるのではなく、下がった日には売買を決めず、使う時期、手元の現金、商品の中身を順番に見たいです。

新NISAで迷ったときの結論は、何があっても保有することではありません。値下がりしても家計と気持ちの両方で続けられる状態へ戻すことです。

今回は、50代家庭持ちの私が、暴落時に売る、積立額を減らす、保有を続ける条件をどう分けるか、一緒に見ていきます。相場の底を当てる話ではなく、下がった日に後悔だけで動かないための段取りです。

新NISAが暴落しても、下がった日に売却を決めない

下落相場を見てすぐ売らず砂時計を置いて一度待つ様子の立体イラスト
値下がりを見た直後は、売買より先に判断する時間を置きます。

評価額を見た直後は、何かしないと損失が広がるように感じますよね。スマートフォンを閉じても数字が頭に残り、ニュースやSNSで「さらに下がる」という話を探したくなります。

私も不安になると情報を集めすぎる癖があります。情報を見て安心できる日もありますが、違う予想が次々に出てくると、調べる前より不安が増えることもありました。

そこで、生活費を出すための緊急売却でない限り、私は下落を知った当日に売買注文を出しません。まず24時間は置き、相場予想ではなく、自分の家計と投資目的を確認します。翌日になっても気になるなら、さらに一週間後の日付をカレンダーへ入れます。

「怖いから全部売る」と「安くなったから一気に買う」は、どちらも下落した日の感情だけで決めない方が安心です。 これ、焦っているときほど難しいですよね。

待つのは、必ず値上がりすると考えるからではありません。下がった理由、使う予定、資産全体の割合を別々に見られる状態へ戻すためです。数日置いても売る理由が残るなら、その理由を言葉にしてから動けばよいと思っています。

いったん全部売ると、次は「いつ買い直すか」という判断が増えます。下落中はまだ怖くて戻れず、反発してからは高く感じて戻れないこともあります。売却価格と再購入価格の両方をうまく当てるのは簡単ではありません。

これ、売れば悩みが終わるように見えて、別の悩みが始まるんですよね。私も相場の先を当てようとするより、「今日は判断しない」と決めた方が気持ちを戻しやすいです。

「売らない」が正解とは限らない。下落の理由を三つに分ける

暴落時の記事では「長期投資なら売らない」と書かれることが多いです。でも、売らないことだけを正解にすると、商品選びの間違いや家計の変化まで見逃します。

これ、市場全体の下落と、自分が持つ商品だけの問題が同じに見えやすいですよね。まずは原因を三つに分けます。

下落の種類見ることすぐ売る前に考えること
市場全体の下落幅広い指数や複数の資産も下がっているか投資目的と使用時期が変わっていないなら、短期の値動きだけで決めない
商品固有の問題運用方針、手数料、分散状況、個別企業の前提が変わったか買った理由が今も成り立つかを確認する
家計事情の変化教育費、収入減、退職時期、急な支出が近づいたか相場ではなく、必要な現金の不足を先に直す

投資信託なら、連動する指数、投資先の地域や資産、手数料、運用方針が買ったときから変わっていないかを見ます。個別株なら、業績や事業の前提が崩れていないか、一つの銘柄に偏りすぎていないかを別に考えます。価格が下がった事実だけでは、原因までは分かりません。

私も以前、「上がりそう」というネット情報だけで個別株を買い、値下がりしたあと売れずに塩漬けにしました。つらかったのは価格が下がったことだけではなく、自分で買った理由を説明できなかったことです。

幅広く分散された投資信託が市場全体と一緒に下がる場面と、よく分からないまま買った一つの銘柄が下がる場面は、同じ対応にしない方がよいです。反対に、商品に問題がなくても、来年使う教育費が混ざっていたなら家計側を直します。

「売るか持つか」を先に決めるより、何が変わったのかを一文で書く。これだけでも、相場の恐怖と自分の事情を少し離して見られます。

NISAで損切りする前に、税金と非課税枠を知っておく

NISAはいつでも売却できます。ただし、課税口座と同じ感覚で損切りすると、税金と非課税枠で思っていたのと違うことがあります。

NISAは、株式や投資信託から得た利益を非課税にするための口座です。中で持つ商品の価格を守る仕組みではありません。同じNISA口座でも、幅広い投資信託と一つの個別株では値動きも分散の度合いも違うため、「NISAだから保有」と制度名だけでまとめない方がよいです。

売れば損失をほかの利益と相殺できると思いやすいですよね。ところが、国税庁によると、NISA口座で生じた譲渡損失は、課税口座の利益や配当との損益通算ができず、翌年以降への繰越控除もできません。

たとえば、NISAで100万円分買った商品を70万円で売ると、30万円の損失が確定します。この30万円を、別の課税口座で出た利益から差し引くことはできません。

正直、私は「非課税」という言葉だけを見ると、売却時も何となく有利な制度だと思い込みそうになります。利益が非課税になる一方、損失は税務上使えないところまでセットで見ておきたいです。

もう一つ迷いやすいのが、売却後の非課税枠です。2024年からのNISAでは、売却した商品の簿価、つまり取得金額分が翌年以降に再利用できます。先ほどの例なら、翌年以降に戻る総枠は売却額70万円ではなく、取得金額100万円分です。

売却した年に年間投資枠がその場で戻るわけではなく、NISAの損失は損益通算もできません。

ここまで制度が絡むと、売るだけでもややこしく感じますよね。もちろん、税金のために保有し続ける必要はありません。商品の前提が変わった、家計に現金が必要になった、リスクが大きすぎたという理由があれば、税制を理解したうえで売却する選択はあります。制度だけで売る・売らないを決めないことが大切です。

50代は、5年以内に使うお金を相場から離す

近く使うお金と生活防衛資金と長期運用資金を三つの器に分ける立体イラスト
使う時期が近いお金を相場から離すと、暴落時に待てる余地が生まれます。

50代の投資で気になるのは、若い頃より回復を待つ時間が短いことですよね。ただ、年齢だけで全部を現金にするか決めると、老後の後半まで使わないお金も同じ扱いになります。

私は、年齢ではなく「そのお金を使う日」で分けたいです。わが家は子どもの教育費がこれから増える時期です。正直、近く使うお金まで値下がりする場所へ置くのは怖いです。進学費用や住宅の修繕は、相場が戻るまで数年待ってくれません。

お金の役割使う時期の目安暴落前に考える置き場所
教育費・予定支出5年以内値下がり時にも使える現金を中心にする
生活防衛資金時期を選べない収入減や急な支出にすぐ使える形で分ける
老後の長期資金10年以上先値動きを受け入れられる範囲だけ運用候補にする

たとえば、3年後の進学費用と15年後から少しずつ使う老後資金が同じ投資信託に入っていると、暴落時にどちらを守るための売却なのか分からなくなります。近く使う分を現金へ移す計画と、長期分を保有する判断を分ければ、口座を全部売る必要はなくなります。

5年以内に使う予定のお金がNISAに入っているなら、暴落を我慢する前に、お金の置き場所を見直した方が安心です。 使う日が近いほど、待ち続けるのは怖いですよね。

新NISAへ入れてよいお金の考え方は、50歳から新NISAを始めるときの順番でもまとめています。枠を埋めることより、近く使うお金を守る方を先にしたいです。

急な収入減や病気に備える現金が曖昧だと、相場が下がったときに「売らないと生活できない」という状態になりかねません。50代の生活防衛資金を何か月分持つか考えた記事を土台に、投資口座とは別に見える形へ分けておくと、待つか売るかを落ち着いて選びやすくなります。

暴落時は「続ける・減らす・配分を直す」の三案で考える

暴落すると、「全部売る」か「何も変えず耐える」かの二択になりやすいですよね。でも、家計も気持ちも人それぞれなので、その間に選べることがあります。

私自身、数年分の生活費が見えていると、相場が下がっても少し落ち着けます。一方で、資産が増えるほど「ここから減らしたくない」という気持ちが強くなりました。理屈では長期投資と分かっていても、金額が大きくなると怖さも変わります。

選択肢合いやすい状態注意したいこと
保有と積立を続ける長期資金で、現金と配分に無理がない回復を保証された行動だと思わない
新規積立を減額・一時停止する家計余力が下がったが、保有商品を急いで売る理由はない再開条件と見直し日を決めておく
一部売却・資産配分を直すリスクが大きすぎる、使用時期が近い、商品を持つ理由が崩れた恐怖だけで全部を現金化しない

積立額を下げると、「投資に失敗した」と感じるかもしれません。でも、夜も気になって眠れない金額や、毎月の家計を圧迫する金額なら、続けられる水準へ戻すのは逃げではありません。

資産配分が自分に合っているか迷う場合は、50代の資産配分を使う時期から考えた記事のように、値下がり率を実際の金額へ直してみます。20%下がったら何円減るのか。その金額でも生活費と教育費を守れるのか。割合だけより、ずっと現実的に感じられます。

説明用の例として、値動きのある資産が500万円あり、20%下がると評価額は400万円、減少額は100万円です。ここで見るのは「100万円を取り返せるか」ではなく、別に確保した生活費や教育費へ影響するかです。影響しない長期資金なら待つ余地があります。家計が苦しくなるなら、積立額や配分が今の暮らしに対して大きすぎた可能性があります。

生活防衛資金を使った買い増しや、下落を取り返すための大きな勝負は避けたいです。 私も損を早く取り返したい気持ちで動くのは怖いです。

買い増しをしなくても、積立を続けなくても、保有を全部手放さなくても構いません。目的は暴落に勝つことではなく、家族のお金を守りながら長く続けられる形を作ることです。

私は下落前に、五つのメモを残しておきたい

相場が穏やかな日に決められることを、暴落した日に初めて考えるのはしんどいです。私も不安な日に情報を探し始めると、都合のよい意見と怖い意見の間を行ったり来たりします。

その日に答えを探し続けると疲れますよね。私は、次の五つだけを一枚に書いておきたいです。

  1. 何のためのお金か:老後、教育、住宅、予備費のどれか
  2. いつ使うか:5年以内、10年以上先、未定のどれか
  3. 現金はいくら別にあるか:生活防衛資金と予定支出が投資口座に混ざっていないか
  4. どこまで下がると暮らしや睡眠に影響するか:割合ではなく金額で書く
  5. 次に見直す日はいつか:毎日の値動きではなく、家計や目的が変わった日に見る

このメモを見て、目的も使用時期も商品を持つ理由も変わっていないなら、私はその日は動きません。現金が足りない、使う時期が近づいた、配分が自分には大きすぎたと分かれば、積立額や保有額を少しずつ直します。

情報を見る時間も決めておきます。ニュースを一日中追わず、確認する一次情報と口座を見る日を絞る。正直、私は情報を増やすほど安心できると思いがちですが、相場予想を何本読んでも、わが家の使用時期と現金は変わりません。

「みんなは売ったのか」より、「自分は何のために持っているのか」へ戻れると、少し呼吸がしやすくなりますよね。

長期・積立・分散は、損をしない約束ではありません。将来、相場がいつ戻るかも誰にも分かりません。それでも、使う時期と続けられる金額を先に決めておけば、値下がりした日にすべてを決めなくてよくなります。

暴落が怖いのは、投資に向いていないからではなく、守りたいお金があるからだと思います。いきなり強い心を作らなくて大丈夫です。まずは証券口座を閉じて一晩置き、わが家のお金の使用期限を一つずつ確かめるところからで十分です。

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