
夫婦のどちらかにもしものことがあったら、残された家族の生活費はどうなるのか。子どもの教育費や住宅ローンが残る50代にとって、さすがに遠い話ではありません。気になりながら、夫婦では話題にしにくいですよね。
私も「遺族年金があるから大丈夫」と思いたい一方で、結局いくら入るのか分からないと落ち着きません。不安になると情報を集めすぎて、どの数字が自分の家族に当てはまるのか、かえって見えにくくなることもあります。
遺族年金は、「亡くなった人の年金の4分の3がそのまま入る」という単純な制度ではありません。子の有無と年齢、夫婦それぞれの年齢、亡くなった人の年金加入記録などで、対象と金額が変わります。
2026年8月1日に日本年金機構と厚生労働省の案内を確認し、遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い、2026年度額、子どもの年齢で変わる時期、生命保険との関係をまとめました。
私なら、遺族年金を「いくらもらえるか」だけでなく、「いつ金額が変わるか」まで一枚にします。その上で、足りない期間だけを預貯金や保険で埋めると、保障を増やしすぎにくくなります。
遺族年金は家族構成でいくらか変わる
まず見たいのは、亡くなった人が国民年金だけに加入していたのか、厚生年金にも加入していたのかです。次に、残される配偶者と子の年齢を確認します。
2026年度の遺族基礎年金は、子のある配偶者が受け取る場合、子1人なら年1,091,100円、子2人なら年1,334,900円です。3人目以降の加算額は1人につき年81,300円です。これは年額なので、子1人の例は月平均にすると約9万900円です。
「月約9万円なら、あと少し保険があれば大丈夫」と感じるかもしれません。けれど、そこに家賃や住宅ローン、学費、税金、社会保険料が重なると、家計は簡単ではありませんよね。
私は、子どもの進路がまだ決まっていない段階で保障額を一つに決めるのが怖いです。入金額だけでなく、住宅費と教育費が重なる年数まで書きます。
「遺族年金は給料の4分の3」でも「亡くなった人が受け取るはずだった年金の4分の3」でもありません。遺族厚生年金は、厚生年金の加入記録に基づく老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が基本です。
| 家族の状況 | まず確認する給付 | 金額を変える主な条件 |
|---|---|---|
| 子のある配偶者 | 遺族基礎年金+遺族厚生年金 | 子の人数・年齢、厚生年金記録 |
| 子のない配偶者 | 主に遺族厚生年金 | 年齢、性別、亡くなった時期、将来の改正 |
| 自営業中心の家庭 | 遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金など | 子の有無、国民年金の納付期間 |
私は大きな年額を1つ見つけると、それが自分の家族にも入るような気がしてしまいます。まずは「夫が亡くなった場合」と「妻が亡くなった場合」を別の行にしてみてください。
遺族基礎年金と遺族厚生年金を重ねて見る

会社員など厚生年金に加入する人に万一があり、受給要件を満たすと、子のある配偶者は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れる場合があります。一階と二階を重ねるイメージです。
遺族基礎年金は子の有無が大きな条件で、厚生年金の給与水準によって金額が変わる制度ではありません。一方、遺族厚生年金は、亡くなった人の厚生年金加入期間と標準報酬などで変わります。
式は公開されていますが、転職歴や賞与、2003年4月前後の加入期間などが関わるため、手元の給料明細だけで正確に計算するのは簡単ではありません。数字が複雑だと、そこで止まってしまいますよね。
私も自分で数式を完璧に再現するより、年金記録を揃えて年金事務所やねんきんネットで確かめる方が安心です。毎月の給料から概算を決め打ちしないことにします。
- 夫婦それぞれの基礎年金番号
- ねんきん定期便とねんきんネットの加入記録
- 子どもの生年月日と卒業時期
- 夫婦の就業状況とおおまかな収入
- 勤務先の死亡退職金、弔慰金、団体保険の有無
夫婦の年金記録を確認したら、50代の老後資金をわが家の数字で考えた記事のように、現在の資産と将来の年金を同じ一枚へ置きます。遺族年金は老後年金と別の制度ですが、家計全体で不足を比べる土台はつながっています。
子どもの年齢で受取額が変わる時期を書く
遺族基礎年金でいう「子」は、原則として18歳に到達した年度の3月31日までの子です。一定の障害状態にある場合は、20歳未満まで対象になることがあります。
上の子が対象外になると子の加算が減り、最後の子が対象年齢を外れると、遺族基礎年金そのものが終了します。大学の学費や一人暮らし費用がかかる時期と、公的保障が終わる時期は一致しません。
私は私立中学や大学までの費用を調べるほど、「保障がある期間」と「お金がかかる期間」のずれが気になります。そのずれを預貯金と保険のどちらで埋めるかまで見たいです。
これ、教育費がいちばんかかる大学時代まで同じ金額が続くと思っていると、家計表がずれてしまいますよね。
遺族基礎年金は、子どもの大学卒業まで同じ金額が続くとは限りません。18歳到達年度の末を家計表に入れてください。
私はこの区切りを知ったとき、「高校卒業後の方がお金はかかるのに」と不安を感じました。大学進学後の住居費まで考えると、数字の段差は小さくありません。あなたも、お子さんの卒業年ではなく、遺族基礎年金の対象を外れる年度末を一度書いてみてください。
| 時期 | 入金で見ること | 支出で見ること |
|---|---|---|
| 上の子が対象の間 | 遺族基礎年金の基本額と加算 | 学費、住宅費、生活費 |
| 上の子が対象外 | 子の加算が一段減る | 下の子の教育費 |
| 最後の子が対象外 | 遺族基礎年金の終了、遺族厚生年金等を再確認 | 大学費用、就職支援、住宅ローン |
わが家では子どもがまだ小学生で、これから私立中学や高校、大学費用がどうなるか気になっています。だからこそ、現在の金額だけではなく、子の年齢で入金が減る年を先に見ておきたいです。あなたのお子さんは、いつ対象年齢を外れますか。
教育費の年表を作るときは、退職後の生活費を年金前後で分けた記事と同じように、入金が変わる前後で必要生活費を分けます。子の年齢、進路、住宅費、自分たちの退職時期を並べると、必要保障額を子の成長に合わせて減らせる可能性があります。
夫と妻のどちらが亡くなるかで条件が違う
2026年8月現在の遺族厚生年金では、子のない妻は年齢によって受給期間が変わり、子のない夫には妻の死亡時の年齢要件と受給開始年齢があります。子のある配偶者でも、配偶者と子の優先関係を確認します。
2028年4月からは遺族厚生年金の男女差解消など、段階的な見直しが始まる予定です。現在の年齢、法改正の経過措置、子の有無で扱いが分かれるため、「男女同じになる」だけで家計を作らない方が安全です。
制度改正の記事は、強い言葉の見出しが多くて不安になりますよね。私も「もうもらえない」と決めつけず、現行制度と改正後の自分の対象年齢を分けて読みます。
夫の収入だけを基準に保障を作らないでください。妻の収入、家事、育児が止まった場合の追加費用も、別のケースで見ます。
私は夫婦のお金を日頃から話していますが、万一の話はつい後回しにしたくなります。けれど、どちらの収入がなくなっても生活は変わります。今のうちに夫婦両方のメモを作ってみませんか。
遺族年金で足りない月額を家計へ戻す

公的保障の見込みが分かったら、次は死亡保険金の大きさを比べるのではなく、残された家族の月額不足を出します。必要生活費から、遺族年金、残された配偶者の収入、勤務先の給付、削減できる支出を引きます。
例えば必要生活費が月30万円、公的保障と配偶者の手取り等が月22万円なら、月額不足は8万円です。これが10年続くという単純例なら、960万円です。実際には教育費、住宅ローン、葬儀や当面の予備費、資産を足し、子の成長による生活費の変化も考えます。
数字を並べると、大きな不足額に身構えますよね。私は保障を一生分一定と考えず、子どもの年齢と住宅ローン残高に合わせて減っていく形で見たいです。
| 家計へ戻す項目 | 説明用の月額例 | 確認先 |
|---|---|---|
| 必要生活費 | 300,000円 | 過去12か月の家計 |
| 遺族年金と配偶者収入等 | 220,000円 | 年金事務所、給与明細、勤務先 |
| 毎月の不足 | 80,000円 | 必要生活費−入金 |
| 10年分の単純例 | 9,600,000円 | 80,000円×12か月×10年 |
生命保険の必要保障額は、「平均はいくら」で決めず、公的保障を引いた家計の不足額から考えます。
保険料を下げることありきではありません。過剰な保障は家計を圧迫し、不足は家族の生活を守れません。公的保障から死亡保障を考える手順は、50代の保険見直しを家計へ戻す記事でも整理しています。
私は固定費の見直しはやってよかったと感じていますが、保険は安さだけでは決められません。保険証券を開いて、保険金、期間、保険料の3つだけでも書いてみませんか。
請求は自動で始まると思わない
遺族年金は、死亡届を出せば自動で振り込まれるものではありません。年金請求書と、戸籍、住民票、生計維持関係などを確認する書類を揃え、年金事務所等で手続きをします。必要書類は個別の状況で変わります。
家族が亡くなった直後は、葬儀、銀行、保険、勤務先、学校などへの連絡が重なります。その中で、年金の番号や勤務先の窓口を探すのは大変ですよね。
私は、今のうちに「年金」「勤務先」「保険」「銀行」の4つだけを家族で共有したいです。口座番号や暗証番号を普段のメッセージに書くのではなく、書類の保管場所と問い合わせ先を伝えます。あなたの家では、誰がその場所を知っていますか。
私は家族とお金の話はしていますが、必要書類の保管場所まで共有できているかは別問題だと感じます。「分かっているつもり」のままにせず、一度は実物のファイルを一緒に開きます。
請求前に配偶者の戸籍や住民票の記載が現状と合っているか、生計維持関係の確認に何が使えるかも窓口で聞きます。事実婚、別居、海外居住などの事情があると、追加資料が必要になる場合があります。
- 夫婦の基礎年金番号と加入記録の保管場所を決める
- 勤務先の人事・福利厚生窓口と死亡時給付を聞く
- 生命保険と団体保険の保険証券を一覧にする
- 子どもが対象年齢を外れる年を書く
- 年金事務所へ、家族構成を伝えて確認方法を聞く
- 年額を月額に直し、家計の不足だけを出す
この一覧を見ると多く感じますが、私は一日で終わらせません。今日は書類の場所、次の休日は勤務先、最後に年金事務所という順なら進められます。あなたも、最初の一つだけ家族に共有してみませんか。
遺族年金は、死亡届を出しただけで自動振込されるとは限りません。対象となる遺族が請求手続きを進めます。
「万一のためにここまでするのは縁起でもない」と感じる方もいると思います。けれど、手続きメモは死亡の話だけではなく、入院や災害、スマホが使えない時にも家族を助けます。
今の家計で保障を一度だけ試算する
遺族年金は、受け取れるかどうかと金額の両方が個別で変わります。だから、ネットの平均額だけで安心するのも、逆に保障がないと思って保険を増やしすぎるのも避けたいです。
まずは夫婦それぞれの加入記録と家族構成を用意し、年金事務所などで現在の制度に基づく見込みを確かめます。次に、子の年齢で金額が変わる年と、住宅ローンや教育費が終わる年を重ねます。
私は、定期給与がなくなることに強い不安があります。それでも、不安の大きさをそのまま保険金の大きさにしたくはありません。先に公的保障と家計の足りない期間を見れば、夫婦で話す内容が具体的になります。あなたも、今週末に30分だけ時間を取ってみませんか。
遺族年金の確認で本当に必要なのは、完璧な計算式を覚えることではありません。家族構成、加入記録、金額が変わる年、家計の不足の4つを、同じ一枚に置くことです。
制度や年金額は改定されるため、実際に試算するときは日本年金機構の最新情報を確認してください。個別の受給可否は、年金事務所等へ家族構成と加入記録を伝えて確かめるのが安心です。