家族と人生後半

介護休業給付金はいくら?50代の私が「賃金の67%」だけで休み方を決めない理由

2026年9月14日

介護休業給付金を考える給与明細、家計ノート、電話、カレンダー

親の介護が始まりそうなとき、「仕事を何日休めるか」と同じくらい、「給料が減っても家計は回るか」が気になりますよね。介護休業給付金は賃金の67%と聞いても、その金額がそのまま手取りになるのか、社会保険料や住民税はどうなるのか、私も一度では理解できませんでした。

私自身、子どもの教育費や住宅ローンが残る50代です。親のことは大切にしたい。でも、先が見えないまま仕事を長く休むのも怖い。家族への思いとお金の不安を、どちらか一方だけにするのは難しいですよね。

そこで、介護休業給付金の計算方法、対象になる日数、介護休暇との違い、休業中に残る支出を整理しました。制度は2026年7月30日時点の厚生労働省・ハローワークの案内で確認しています。

私は93日を「自分一人で介護を続ける期間」ではなく、仕事に戻れる介護体制をつくる時間として考えたいです。 給付額だけで休み方を決めず、家族、会社、地域の支援をつなぐ順番を一緒に見ていきます。

介護休業給付金は賃金の67%が基本でも「手取り」ではない

介護休業給付金の基本額は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」です。厚生労働省の案内では、休業中に賃金が支払われない場合、休業開始前の月額賃金がおよそ15万円なら月額約10万円、20万円なら約13万4,000円、30万円なら約20万1,000円が支給例として示されています。

休業開始前の月額賃金給付月額の目安休業前との差
15万円約10万円約5万円
20万円約13万4,000円約6万6,000円
30万円約20万1,000円約9万9,000円
休業中に賃金が支払われない場合の説明用の目安。実際の休業開始時賃金日額には上限・下限があり、支給日数や会社からの賃金で金額は変わります。

私はここで少し不安になりました。「給料の67%が手取りで振り込まれる」と考えてしまいそうだったからです。基準になるのは休業開始時賃金日額であり、普段の手取り額ではありません。会社から休業中の賃金が出る場合は給付額が調整され、賃金が休業開始時賃金日額の80%以上支払われると、介護休業給付金は支給されません。

さらに、介護休業中は育児休業と違い、健康保険料と厚生年金保険料の免除制度がありません。住民税も前年の所得をもとに請求されるため、給付額だけを見ていると、通帳から出ていくお金とのズレが出ます。

「67%もらえる」ではなく、「給付の見込額から社会保険料、住民税、毎月の固定費を払って、いくら残るか」で見たいです。 私のように教育費やローンがある家庭ほど、この差が気になりますよね。

最初の一歩は、給与明細を一枚出し、会社へ休業中の給与と社会保険料の支払い方を尋ねることです。正確な支給額はハローワークや会社の担当者へ確認しますが、家計側では「普段より毎月いくら少なくなるか」を先に置くと話し合いやすくなります。

対象家族1人につき通算93日・3回まで

介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分けて取得できます。93日を一度に全部取る制度だと思っていた方もいるかもしれませんが、家族の状況に合わせて分けられます。

対象家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。法律上の「要介護状態」は、負傷、疾病、身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態とされています。介護保険の要介護認定と同じ言葉に見えますが、会社への申出に要介護認定が必須というわけではありません。

「2週間以上の状態なら、2週間ずっと休まないと対象にならないの?」と迷いますよね。厚生労働省のQ&Aでは、対象家族が2週間以上常時介護を必要とする状態であれば、介護休業そのものを10日間だけ取得する場合も給付の対象になり得ると案内されています。

私は、最初から93日を一つの塊にするのは怖いと思っています。たとえば、退院直後の10日、サービス調整のための20日、状態が変わったときの残りというように、今後起こりそうな場面を家族と考えます。もちろん、予想どおりに進むとは限りません。それでも残日数を知っているだけで、次の判断が少し落ち着きます。

93日は「親を介護できる期限」ではなく、働き続けるための体制を整える貴重な持ち時間です。 だからこそ、今すぐ必要な日数と、将来の変化に残す日数を分けて考えたいですよね。

すでに同じ家族のために介護休業を取ったことがある場合は、残りの日数と回数を会社に確認します。きょうだいが別々の会社で働いている場合、それぞれの制度利用は本人ごとの要件で判断されるため、家族全体の役割分担も一緒に話しておきたいところです。

介護休業と介護休暇は役割が違う

介護休暇の短い道と介護休業の長い道を表す立体イラスト
急な通院に使う休みと、介護体制を作るまとまった休みは役割を分けて考えます。

「介護休業」と「介護休暇」は名前がよく似ています。私も最初は、長い休みと短い休みの呼び方が違うだけだと思っていました。でも、使いどころはかなり違います。

制度日数・単位使い方のイメージお金の確認点
介護休業対象家族1人につき通算93日、3回まで介護サービスや家族の分担など、中期的な体制を整える要件を満たせば介護休業給付金。会社給与の有無も確認
介護休暇年5日、対象家族が2人以上なら年10日。時間単位も可通院の付き添い、ケアマネジャーとの打合せ、手続き有給か無給かは会社規定を確認
所定労働時間の短縮等会社が設ける制度から利用短時間勤務、時差出勤などで日常的に両立する給与の減り方を会社へ確認
制度の大まかな役割。対象条件や会社の規定は勤務先へ確認してください。

病院の付き添いや介護認定の手続きなど、数時間から一日の用事なら、まず介護休暇を使えるか確認できます。一方、退院後の生活を整える、遠方の親の近くで事業者を探す、きょうだいと役割を決めるといった場面では、まとまった介護休業が役立ちます。似た名前でも、目的は違いますよね。

会社によっては介護休暇が有給の場合も、無給の場合もあります。年次有給休暇を先に使う方が家計には有利でも、後で自分が病気になったときの休みが減ります。目先の給料だけでなく、残す休暇も含めて選びたくなりますよね。

私は休み方に迷うので、「今日は何を終わらせたいのか」で制度を選ぼうと思っています。病院へ付き添う一日なのか、退院後の暮らしを組み直す三週間なのか。目的が言葉になると、会社にも相談しやすく、長く休みすぎることも避けやすくなります。

介護は予定表どおりに進みませんよね。だから一つの制度だけで乗り切ろうとせず、介護休暇、介護休業、短時間勤務、在宅勤務、家族の休みを組み合わせる方が現実的です。

給付対象になる条件と申請の流れ

介護休業を取れば、誰でも自動的に67%が振り込まれるわけではありません。少しややこしく感じますよね。原則として、介護休業を始める日前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることなどが要件です。期間を定めて働く人には、休業開始予定日から93日後を経過する日から6か月を経過する日までに契約が終わることが明らかでない、という条件もあります。

申出は、原則として介護休業を始める2週間前までに会社へ行います。実際の給付手続きは会社が行うことが多いものの、本人が希望すれば自分で申請することもできます。まずは人事・労務担当へ、会社の申請書、休業中の給与、保険料の払い方、給付申請を誰が行うかを尋ねると整理しやすいです。

  1. 親の状態と、2週間以上にわたり常時介護が必要かを確認する
  2. 会社の就業規則と介護両立支援制度を確認する
  3. 開始日、終了予定日、今回使う日数を決めて会社へ申し出る
  4. 休業中の給与、社会保険料、住民税の扱いを確認する
  5. 会社が給付申請をする時期と、本人が出す書類を確認する

2025年4月から、介護に直面したと申し出た労働者に対し、会社は介護休業制度などを個別に知らせ、利用の意向を確認することが義務になりました。それでも、仕事を休む相談は切り出しにくいですよね。こちらから「制度を知りたい」と伝えるのは、迷惑をかけることではありません。

もう一つ大切なのは、介護休業給付金が職場復帰を前提とする給付だということです。介護休業を始めた時点で退職する予定が決まっている場合は、支給対象になりません。休業後に事情が変わって退職する場合とは扱いが異なります。

介護が不安でも、給付を受ける前提で先に退職を決めないこと。まず会社へ「働き続けるために何を使えるか」を相談したいです。 私も、情報が足りないと一番大きな決断へ飛びたくなるので、ここは順番を守ろうと思います。

休業中も社会保険料と家計支出は続く

給付額の目安が分かったら、次は休業中の家計です。わが家では、住宅ローン、教育費、保険料、通信費は、親の介護が始まっても止まりません。そこへ実家までの交通費、食事、日用品、場合によっては一時的な宿泊費が加わります。

まず、毎月必ず出るお金を「自宅の固定費」「親のために増える費用」「休業中も請求される税・社会保険料」に分けます。介護サービスの自己負担は親の収入や資産から出すのか、子どもが立て替えるのかも、曖昧なままにしない方が後で揉めにくいですよね。

一か月の確認例説明用の金額
介護休業給付金の見込20万1,000円
自宅の固定費・生活費17万円
社会保険料・住民税5万円
実家への交通・介護関連3万円
一か月の不足見込4万9,000円
月額賃金30万円、休業中の賃金なしとした単純な説明例です。実際の給付額、税・保険料、介護費は人によって異なります。

この例では、67%の給付があっても毎月約5万円不足します。3か月なら約15万円です。私自身、数字にすると不安が増えると思いましたが、実際は反対でした。用意したい現金が見えれば、休業日数を分ける、支出を一時的に下げる、きょうだいと交通費を分担するといった話ができます。

50代の生活防衛資金を分けて考えた記事でも、すぐ使うお金を投資とは別に置く考え方を整理しました。介護休業中に使う可能性があるお金は、値下がりする資産に頼り切らず、普通預金など取り出しやすい場所に用意しておく方が私は安心です。

介護で退職を考えたときは、定年まで働く選択肢を家計と一緒に考えた記事も確認できます。また、FIRE後の家計に介護費をどう織り込むか考えた記事のように、自分の老後資金を守りながら支える視点も欠かせません。

親を大切にすることと、自分の老後資金を守ることは、どちらか一つを選ぶ話ではありません。 私は、わが家が無理なく出せる上限を決めるのは、冷たいことではなく、支援を長く続ける準備だと思っています。

私は93日を「介護する期間」ではなく体制づくりに使う

親の家、地域包括支援センター、家族、職場を橋でつないだ介護体制
93日は自分だけで介護する期間ではなく、復職後も回る支援体制を作る時間として使います。

親のそばにいれば安心できます。でも、自分がずっと付き添う形だけを作ると、93日が終わった後に仕事へ戻れません。私が休業中に優先したいのは、親の状態を全部覚えることより、自分がいない日にも回る仕組みを作ることです。

まず地域包括支援センターへ相談し、要介護認定や利用できるサービスの流れを聞きます。すでにケアマネジャーがいるなら、親の一日の困りごと、通院、服薬、食事、見守りを共有します。家族だけで答えを出そうとすると、何が標準的な支援なのか分からなくなるんですよね。

次に、家族の役割を「近くに住む人が全部する」ではなく、通院、書類、連絡、支払い、買い物などに分けます。遠方のきょうだいでも、オンラインでの手続きや費用分担、週末の交代なら担えるかもしれません。職場とは、出社が必要な日、在宅勤務できる日、急な連絡を受ける方法を相談します。

私は次の7つが見えたら、復帰後の不安が少し減ると考えています。

  1. 親の主治医、地域包括支援センター、ケアマネジャーの連絡先
  2. 利用する介護・見守り・配食サービスと曜日
  3. 薬、通院、緊急時の対応をまとめた一枚
  4. 家族それぞれの担当と、できないこと
  5. 親のお金から払う費用と、子どもが負担する上限
  6. 会社で使う介護休暇、短時間勤務、在宅勤務の組合せ
  7. 自分が疲れたときに相談する相手と休む日

介護が始まる前から全部そろえるのは難しいです。まず会社の窓口と地域包括支援センターの連絡先をスマートフォンへ入れる。給与明細と毎月の固定費を一度見る。親が元気なうちに、困ったとき誰へ連絡してほしいかを聞く。そのくらいなら、今週でもできそうですよね。

介護休業給付金は、減った給与を完全に埋める制度ではありません。それでも、退職する前に仕事を一時的に離れ、支援の形を作る時間を支えてくれます。67%という数字は入口です。わが家の手残り、使える日数、会社の制度、地域の支援までつなげて、初めて実際の休み方になります。

親を一人で支え切れるかではなく、誰と何を分ければ仕事へ戻れるか。私はその問いから始めたいです。皆さんも、いきなり93日の答えを出さず、まず一日休むなら何を整えたいかを書いてみてはいかがでしょうか。

-家族と人生後半