
親や配偶者が亡くなった後、「準確定申告は4か月以内」と知ると、葬儀や名義変更の途中でも急に時計が動き出したように感じますよね。相続税の10か月より短いため、「今すぐ申告書を作らないと」と焦る方もいると思います。
正直、私も期限を見つけると、必要かどうかを確かめる前に書類を集め始めそうです。でも、準確定申告は亡くなった方全員に自動的に必要な手続きではありません。まず故人に確定申告の義務があったか、または還付を受けられそうかを見ます。
2026年8月6日に国税庁の案内を確認し、期限の数え方、相続人が複数いる場合、所得控除、提出先、必要資料を整理しました。難しい税額計算を家族だけで完成させるのではなく、「誰の、何年分を、誰と進めるか」が見える一枚を作るところから一緒に始めましょう。
私なら、最初に故人の前年と今年の申告状況を確認し、4か月の期限だけをカレンダーへ書きます。必要書類を全部集めるのは、その後で大丈夫です。
準確定申告は亡くなった人の所得税を途中で締める手続き
所得税は、通常、1月1日から12月31日までの所得と税額を計算し、翌年の確定申告期間に申告します。年の途中で亡くなった場合は、相続人などが1月1日から死亡日までに確定した所得と税額を計算して申告します。これが準確定申告です。
たとえば8月に亡くなった方なら、その年の1月1日から死亡日までが一つの対象期間です。ただし、亡くなった時期が翌年1月1日から通常の確定申告期限までで、前年分をまだ申告していなければ、前年分と亡くなった年の分の二つが4か月以内になる場合があります。
「相続税の申告とは別なの?」と迷いますよね。私も人が亡くなった後の税金を一つの箱に入れたくなります。でも、準確定申告は故人の所得税、相続税申告は受け継いだ財産に関する手続きです。期限も提出書類も別なので、一覧では別の行にします。
| 手続き | 主に見るもの | 一般的な期限 |
|---|---|---|
| 準確定申告 | 故人の1月1日から死亡日までの所得・所得税 | 相続開始を知った日の翌日から4か月以内 |
| 相続税申告 | 相続や遺贈で取得した財産・債務など | 相続開始を知った日の翌日から10か月以内 |
準確定申告の4か月と相続税申告の10か月を、同じ期限だと思わないようにします。
すべての家庭に準確定申告が必要とは限らない

準確定申告が必要かどうかは、故人が生きていれば確定申告をする必要があったかを出発点にします。個人事業や不動産賃貸をしていた、給与収入が高額だった、給与や退職所得以外の所得が一定額を超えた、複数の勤務先から給与を受けていた、といった事情が手掛かりになります。
一方、年金や給与から税金が引かれていて申告義務がない方でも、医療費控除などによって所得税が戻る可能性はあります。この場合は、申告して還付を受けるかを家族で判断します。「義務がない」と「申告しても意味がない」は同じではありません。
故人の収入をすぐ説明できないこともありますよね。私も通帳の入金名だけで年金、家賃、配当を区別するのは難しいと思います。まず前年の確定申告書、源泉徴収票、年金の源泉徴収票、事業帳簿を探し、毎年申告を頼んでいた税理士がいないか確認します。
- 前年分の確定申告書と控え
- 給与・公的年金の源泉徴収票
- 個人事業や不動産賃貸の帳簿
- 証券会社から届いた年間取引の資料
- 医療費や保険料など控除に関する資料
- 依頼していた税理士や記帳担当者の連絡先
申告義務の判定には例外や金額要件があります。故人が事業をしていた、土地や株式を売却していた、海外資産がある、損失の繰越があるなど、家族が判断しにくい事情があれば、前年の申告書と今年の取引資料を税務署や税理士へ見せて確認します。
「亡くなったら全員が準確定申告」と決めず、故人の収入と前年の申告状況から要否を確かめます。
期限は死亡日ではなく知った日の翌日から4か月
国税庁は、準確定申告の期限を「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」と案内しています。多くの家庭では死亡を知った日が起点になりますが、単純に死亡日の4か月後とだけ覚えるより、起点となる日と期限を一緒に記録する方が安全です。
提出先は、相続人の住所地を担当する税務署ではなく、故人が亡くなった当時の納税地を所轄する税務署です。施設へ入居していた、住民票と生活場所が違った、事業所を納税地にしていたなどの場合は、申告先を早めに確かめます。
葬儀後の一日は、普段よりずっと短く感じますよね。私も「落ち着いてから調べよう」と封筒を重ねるうちに、何週間も過ぎそうです。カレンダーには締切だけでなく、資料確認、相続人への共有、専門家へ相談する日の三つを手前に置きます。
| 時期の目安 | やること | 止まりやすい点 |
|---|---|---|
| 最初の1〜2週間 | 前年の申告書、収入資料、税理士の有無を確認 | 書類の保管場所が分からない |
| 1か月前後 | 申告要否と提出先を確認し、相続人で役割分担 | 誰が窓口になるか決まらない |
| 期限の1か月以上前 | 税額・還付額、付表、添付資料を確認 | 源泉徴収票や帳簿がそろわない |
| 4か月以内 | 必要な申告と納税 | 相続税の10か月と取り違える |
期限が迫ってから初めて税理士を探すと、受任できる日程が合わないこともあります。自力で申告するか迷っていても、事業や不動産所得がある場合は、申告書を作る前に相談先だけ確保しておくと安心です。
相続人が複数なら付表と連絡方法を先にそろえる
相続人などが2人以上いる場合、国税庁の案内では、各相続人が連署して提出する方法があります。別々に提出することもできますが、その場合は他の相続人の氏名を付記し、提出した内容を他の相続人へ知らせる決まりです。
準確定申告書には、相続人などの氏名、住所、故人との続柄などを記入した付表を添えます。還付金を相続人の代表者がまとめて受け取るなら、付表とは別に委任状を添えます。e-Taxにも対応していますが、複数の相続人がいる場合は確認書など、提出方法に応じた書類を確かめます。
きょうだいへ税金の連絡をするのは、書類集め以上に気が重いことがありますよね。私も相手が忙しそうだと、全部決めてから知らせたくなります。でも、住所、続柄、還付金の受取方法は後から必要になります。最初に窓口役と連絡手段だけ合意します。
- 相続人の氏名、住所、続柄、連絡先を一枚にする
- 準確定申告の窓口役を決める
- 紙提出かe-Taxかを決め、必要な確認書を調べる
- 税額や還付額の分け方を付表で確認する
- 提出前の申告内容を全員へ共有する
- 提出控えと納付記録を全員が確認できる場所へ保存する
相続人の連絡先や役割分担を整理するときは、遺産分割協議書を作る前の準備も参考になります。準確定申告と遺産分割は別の手続きですが、誰が資料を集め、誰へ共有するかという土台は共通しています。
収入と控除の資料は死亡日までで線を引く
準確定申告では、故人の1月1日から死亡日までに確定した所得を集計します。給与や年金の源泉徴収票、事業・不動産の帳簿、配当や譲渡の資料など、故人の収入の種類に合わせて資料を集めます。前年の申告書があれば、収入の見落としを探す地図になります。
所得控除も死亡日が境目です。国税庁は、準確定申告の医療費控除に含められるのは死亡日までに故人が支払った医療費としています。死亡後に相続人が支払った医療費を、そのまま故人の医療費控除へ入れることはできません。社会保険料や生命保険料なども、死亡日までに故人が支払った額が対象です。
病院の請求が亡くなった後に届くと、全部同じ医療費に見えますよね。私も領収書の診療日だけを見てまとめそうです。でも、「いつの診療か」と「誰がいつ支払ったか」は別です。死亡日前後の領収書には支払日と支払者をメモします。
死亡後に家族が支払った医療費を、故人の準確定申告へ自動的に入れないようにします。
| 資料 | 確認すること | 主な入手先 |
|---|---|---|
| 給与・年金 | 死亡日までの支払額、源泉徴収税額 | 勤務先、年金の支払者 |
| 事業・不動産 | 売上・家賃、必要経費、帳簿 | 通帳、契約書、会計資料 |
| 医療費 | 支払日、支払者、補てん金 | 領収書、医療費通知 |
| 保険料・寄附 | 死亡日までに故人が支払った額 | 控除証明書、受領証 |
納税だけでなく還付になる場合もある
準確定申告という言葉から、必ず税金を納める手続きだと思いがちです。しかし、給与や年金などから引かれていた所得税が、本来の税額より多ければ、申告によって還付になる場合があります。医療費控除や各種控除を適用できるかも確認します。
還付金は相続人などが受け取ります。代表者がまとめて受け取る場合は委任状が必要になるため、入金先だけを先に決めないようにします。また、還付になる可能性があっても、資料を集める手間や専門家費用を含めて申告するか判断します。
「戻るなら少額でも申告した方が得」と思いますよね。私も還付という言葉を見ると、取りこぼしたくなくなります。でも、手続きの優先順位は家庭ごとに違います。概算の還付額、必要資料、作業時間を聞き、今ほかに急ぐ手続きと比べます。
故人の預金や契約全体がまだ見えていない場合は、親の財産を一覧にする方法も合わせて確認してください。通帳の入出金を追う作業は、準確定申告の収入探しと、相続財産の確認の両方に役立ちます。
相続税の10か月と混ぜず二本の期限で管理する

相続後には、準確定申告のほか、相続放棄、年金・保険、相続税申告、不動産の名義変更など、期限の違う手続きが並びます。一枚の表へ全部を書くときも、所得税の流れと相続財産の流れは色や列を分けます。
準確定申告で作った帳簿や税額は、相続税の資料にも関係することがあります。たとえば、故人が納める所得税は債務として扱える可能性があり、還付金は相続財産としての扱いを確かめます。準確定申告の控え、納付書、還付通知を「所得税だけの書類」として処分しません。提出後に税務署から連絡が来た場合に備え、計算の根拠になった資料も一組で残します。
期限表が増えるほど、管理だけで疲れますよね。私も立派な相続ファイルを作ろうとすると、分類名を決めるところで止まりそうです。最初は「4か月」「10か月」「期限確認中」の三つのクリアファイルで十分です。届いた書類を入れ、週に一度だけ一覧へ反映します。
- 起点となる日と4か月の期限
- 故人の前年分・今年分の申告状況
- 準確定申告が必要か、還付のみか
- 相続人の窓口役と共有方法
- 不足資料と問い合わせ先
- 提出日、納付日、還付金の受取先
- 相続税資料へ引き継ぐ書類
準確定申告の控えと納付・還付の記録は、相続税を確認する人にも共有します。
相続税そのものの申告要否は、相続税はいくらからかを整理した記事で基礎控除から確認できます。4か月の準確定申告が不要でも、10か月の相続税申告まで不要とは限りません。反対に、準確定申告が必要でも、相続税申告が必ず必要とは限りません。
まとめ:故人の所得・相続人・4か月を一枚にしよう
準確定申告を調べると、申告義務、源泉徴収票、付表、委任状、医療費控除、e-Taxと、慣れない言葉が一度に出てきます。「4か月で全部できるのかな」と不安になりますよね。私も全書類の一覧を見たら、最初の一歩を見失いそうです。
今日のゴールは、申告書を完成させることではありません。故人の前年の申告書を一つ探し、今年の主な収入を書き、相続人の窓口役を決め、4か月の期限をカレンダーへ入れます。分からない項目は「確認中」と残して構いません。
「資料がそろっていないのに相談していいのかな」と迷いますよね。正直、私も空欄のある表を見せるのは落ち着きません。でも、何が不足しているか分かる表は、相談相手にとって役立つ資料です。推測で所得や支払日を埋めず、税務署や税理士へ確認する欄にします。
まずは前年の確定申告書、給与や年金の源泉徴収票、事業の帳簿がある場所を一つ確かめてみてください。準確定申告が必要かどうかを家族で決めつけず、故人の所得と申告状況を見て判断できたら、今日はそこまでで十分です。