家族と人生後半

相続税の税務調査はいつ来る?50代の私が「連絡=申告漏れ」と慌てないために

2026年10月6日

税務署からの封書と相続税申告書を落ち着いて確認する机上

相続税の申告が終わった後、税務署の名前が入った封書や電話が来たら、胸がざわつきますよね。「何か漏れていた?」「いきなり家へ来るの?」と、まだ内容を読んでいないうちから悪い方へ考えてしまう方も多いと思います。

私も見慣れない公的な封書は、開ける前が一番怖いです。不安になると情報を集めすぎる癖があるので、「税務調査」「追徴税額」という強い言葉ばかり見て、かえって落ち着かなくなりそうです。

そこで今回は、2026年8月11日に国税庁の最新公表資料と税務調査手続FAQを確認し、連絡の種類、最新統計の読み方、確認されやすい資料、事前通知から終了までの流れ、誤りに気づいたときの動きをまとめました。怖さを煽るのではなく、連絡が来ても一つずつ確かめられる準備を一緒に作っていきましょう。

最初にするのは、記憶で説明を始めることではありません。連絡した部署、担当者、税目、目的、希望日時、求められた資料を一枚に書くことです。

税務署からの連絡がすべて実地調査とは限らない

封書・電話・訪問の三つの連絡を木製モチーフで分けた立体イラスト
税務署からの連絡には、文書照会・電話・実地調査などがあります。

税務署からの接触には、自宅などで行う実地調査だけでなく、文書や電話による照会、来署依頼などがあります。国税庁も、実地調査とは別に、文書・電話・面接によって申告漏れや計算誤りを確認する「簡易な接触」の状況を公表しています。

そのため、封書が届いた、電話が来たという事実だけでは、実地調査だと決められません。まず連絡が税務調査の事前通知なのか、行政指導や申告内容の照会なのか、提出資料の不足を知らせるものなのかを確認します。

税務署と聞くだけで、責められているように感じますよね。私も電話口で急に聞かれたら、早く答えなければと焦りそうです。でも、分からないことをその場で推測するより、「申告書と資料を見て折り返します」と伝えた方が、落ち着いて事実を確認できます。

連絡の形最初に確認することすぐ答えなくてよいこと
封書差出部署、期限、依頼内容資料を見ないと分からない金額
電話担当者、連絡先、税目、目的記憶が曖昧な贈与や入出金
来署依頼日時、場所、持参資料家族と確認していない事実
実地調査の事前通知開始日時、場所、対象税目、担当者税理士へ相談前の推測
一般的な整理です。実際は届いた通知と税務署の説明を確認してください。

連絡の種類を確かめる前に、「実地調査だ」「申告漏れだ」と決めつけないでください。

82.3%は全申告の割合ではなく、選ばれた実地調査内の数字

国税庁の令和6事務年度の公表によると、相続税の実地調査は9,512件、申告漏れ等の非違件数は7,826件、非違割合は82.3%でした。申告漏れ課税価格は2,942億円、追徴税額は合計824億円です。

82.3%という数字だけを見ると、「相続税を申告した人の8割以上が間違えている」と感じるかもしれません。しかし、この割合は実地調査に選ばれた9,512件の中で、申告漏れなどが見つかった割合です。全申告者の82.3%が調査を受けた、または間違えていたという意味ではありません。

大きな数字は、それだけで怖く見えますよね。私も「8割」という部分だけ目に入ると、自分にも必ず来るような気がします。統計を見るときは、分母が「全申告」なのか「選ばれた調査」なのかを横に書いておくと、必要以上に慌てずに済みます。

令和6事務年度国税庁公表値読み方
実地調査件数9,512件実地調査を行った件数
非違件数7,826件申告漏れ等があった件数
非違割合82.3%実地調査件数を分母にした割合
追徴税額合計824億円本税と加算税の合計
1件当たり追徴税額867万円実地調査1件当たりの公表値
国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」に基づきます。

82.3%は、すべての相続税申告に対する調査率でも、全申告者の誤り率でもありません。

調査時期は一律ではなく、通知内容と日程を先に記録する

「申告してから何年後に来るの?」は、とても気になるところです。ただ、国税庁は、相続税の実地調査が申告後いつ行われるかを一律の日数や年数で示していません。ネットで見かける時期は、個別事例や実務上の傾向として分けて受け止めた方が安全です。

実地調査の事前通知についても、調査の何日前に行うかという一律の規定はありません。国税庁のFAQでは、納税者が準備できるよう、調査までに相当の時間的余裕を置くとしています。

いつ来るか分からない状態は、待っているだけでしんどいですよね。私も期限が見えないと、検索を何度もやり直してしまいます。申告後ずっと身構えるより、申告日、提出方法、控えの保管場所、税理士の連絡先を一枚にしておく方が現実的です。

  • 連絡を受けた日と時刻
  • 部署名、担当者名、折り返し先
  • 税務調査、行政指導、照会のどれか
  • 対象となる税目と相続
  • 希望された日時・場所
  • 求められた資料
  • 税理士へ連絡した日

申告を税理士へ依頼していたなら、当時の契約書や税務代理権限証書も探しておきます。「前の担当者へ今さら連絡してよいのかな」と迷いますよね。まず通知の写真やメモを送り、今回も対応を頼めるか聞くところからで大丈夫です。

電話番号が本物か不安なときは、その場で個人情報を詳しく話さず、税務署の公式な代表番号を自分で調べて確認してください。税務署を名乗る不審な連絡と、本当の照会を落ち着いて分けるためにも役立ちます。

見られやすいのは預貯金・名義・贈与・証券・土地のつながり

通帳・贈与記録・証券・土地資料が申告書へつながる立体イラスト
財産の種類ごとに、申告額までたどれる資料を残します。

相続税の確認では、亡くなった方の財産一覧と、それを裏付ける資料のつながりが見られます。預貯金、有価証券、土地・家屋、保険、貸付金、過去の贈与などが、申告書のどこへ入っているかを説明できる状態にします。

預金は死亡日の残高だけでなく、その前の大きな出金や家族口座への移動が気になる場合があります。家族名義の口座でも、原資、贈与の合意、通帳や印鑑の管理、実際の利用者によって、誰の財産かを確かめる論点が出ます。

家族の通帳まで見ると聞くと、「疑われているの?」とつらく感じますよね。私も家族のお金を詮索するようで、過去の送金理由を聞きにくいと思います。責める質問ではなく、「この入出金を説明できる資料はある?」と記録から確認した方が話しやすいです。

  • 預貯金:死亡日残高、過去の大口入出金、解約口座
  • 名義預金:原資、贈与の合意、管理者、使った人
  • 生前贈与:契約書、振込、贈与税申告、相続への加算
  • 有価証券:証券会社、保有銘柄、未収配当、移管履歴
  • 土地・家屋:評価方法、利用状況、補正、特例
  • 保険:保険料負担者、被保険者、受取人、受取額
  • 国外財産:所在地、残高、為替換算、現地資料

家族名義口座の扱いが気になる方は、名義預金を原資・合意・管理・利用で見る記事も参考にしてください。名義だけで決めず、口座を動かす前に履歴を残します。

事前通知から終了までは連絡・準備・質問・結果の順に進む

実地調査の場合、原則として事前通知があり、開始日時、場所、対象税目などが伝えられます。税理士へ税務代理を依頼している場合は、通知や立会いについて税理士へ早めに連絡します。

その後、提出した申告書と根拠資料をそろえ、質問されそうな取引を確認します。調査当日は、亡くなった方の暮らし、仕事、財産管理、家族への送金、通帳や印鑑の保管など、書類の背景を聞かれることがあります。

質問されると、沈黙が怖くて何か答えたくなりますよね。私も「たぶんこうだった」と埋めてしまいそうです。でも、覚えていないことは覚えていないと伝え、資料や家族へ確認してから答える方が、後で話が食い違いにくくなります。

段階行うこと家族メモ
連絡種類、担当者、対象、日時を確認聞いた内容をその日のうちに共有
準備申告書と根拠資料を照合不明な取引へ付箋を付ける
質問分かる事実を資料に沿って回答推測した内容と事実を混ぜない
追加確認求められた資料を期限管理提出物の写しを残す
結果説明内容と今後の手続を確認修正や納付は税理士と整理
一般的な流れです。個別の通知内容と担当者の案内を優先してください。

通帳や契約書を書き換えたり、都合の悪い資料を捨てたりせず、当時の状態が分かる形で残してください。

申告書・通帳・贈与・土地評価の根拠を3つの束で残す

申告が終わったら、資料を「提出したもの」「金額の根拠」「家族との確認記録」の3つへ分けます。提出した申告書だけ残しても、数年後にその数字をどう作ったか分からなければ、説明に時間がかかります。

金額の根拠には、残高証明書、通帳・取引履歴、証券残高、保険資料、土地評価明細書、登記・測量資料、葬式費用、債務の資料などを入れます。家族との確認記録には、贈与の経緯、立替精算、財産を見つけた場所、誰にいつ確認したかを残します。

全部保存しようとすると、どこまで残すか迷いますよね。私も資料が増えるほど安心する一方で、後から探せなくなりそうです。紙は管理番号を付け、電子データは同じ番号のフォルダへ入れるだけでも、かなり追いやすくなります。

束入れるもの目的
提出したもの申告書、添付書類、送信票・受付記録何をいつ申告したか確認する
金額の根拠残高、評価、契約、領収書、計算メモ申告額までたどる
家族との確認記録贈与、送金、立替え、保管場所のメモ取引の背景を思い出す
保管期間や原本の扱いは、申告を依頼した税理士や税務署へ確認してください。

申告前の段階なら、相続税の必要書類を3つへ分ける記事も役立ちます。提出資料と計算用資料を最初から分けておくと、申告後の保管もそのまま続けられます。

誤りに気づいたら推測で埋めず、修正と相談を早めに考える

申告後に新しい口座が見つかった、土地評価の前提が違った、贈与の扱いを誤ったなど、納めた税額が少なかった可能性に気づくことがあります。その場合は、修正申告によって正しい税額へ直す手続を検討します。

反対に、税額を多く申告していた場合は、更正の請求ができる場合があります。相続税では、通常の更正の請求は法定申告期限から5年以内が基本ですが、遺産分割など後から生じた事情には別の期間が関係することがあります。

間違いを認めたら、すぐ重いペナルティになるのではと怖くなりますよね。私も誤りを見つけた瞬間は、まず固まると思います。ただ、追加の税額、加算税、延滞税の扱いは、気づいた時期、調査通知、誤りの内容などで変わります。自己判断で放置せず、通知と資料を持って税理士や税務署へ確認してください。

  • 見つかった財産・誤りを一行で書く
  • 当初申告のどの表・財産へ関係するか確認する
  • 金額と根拠資料をそろえる
  • 税務署から連絡済みかを税理士へ正確に伝える
  • 修正申告、更正の請求、追加納付のどれが関係するか確認する

気づいた日に税額まで完成させようとしなくても大丈夫です。ただし、通知や提出期限を放置してよいという意味ではありません。私は焦ると作業を一気に終わらせたくなるので、「事実を一行にする」「相談日を決める」を別の予定にした方が動きやすいです。

自分で申告した後、どの段階で税理士へ相談するか迷う方は、相続税を自分で進める難しさを5行で見る記事も参考にしてください。全部を依頼し直さず、見つかった論点だけ確認する方法もあります。

まとめ:確認済み・未確認・質問の3列で慌てない準備をする

税務署から連絡が来ても、すべてが実地調査とは限りません。まず連絡の種類、担当者、目的、日時、求められた資料を確認し、申告書と根拠資料を照合します。

相続の記憶は、時間がたつほど曖昧になりますよね。私も完璧に思い出そうとすると、かえって自信がなくなりそうです。分からないことを無理に埋めず、「確認済み・未確認・質問」の3列に分ければ大丈夫です。

  • 確認済み:申告書と資料が一致していること
  • 未確認:家族や金融機関へ照会中のこと
  • 質問:税務署・税理士へ確認したいこと
  • 期限:回答や資料提出の日
  • 担当:誰が確認するか

今日できることは、税務調査の可能性をゼロにすることではありません。申告書の控えを開き、資料の保管場所と税理士の連絡先を書いた一枚を一緒に置く。それだけでも、突然の電話や封書に、記憶だけで向き合わずに済みます。家族にも保管場所を一言伝えておくと、あとで一緒に探せるのでさらに安心です。

-家族と人生後半