
FIREした直後に相場が大きく下がったら、どうやって生活費を出せばいいのか。これ、会社を辞める前に考えるほど怖くなりますよね。積立中なら「安く買える時期」と思えても、給与が減ったあとでは同じように受け止められない気がします。
私も相場が下がったときは、「この資産配分で本当によかったのか」と自分の判断を疑います。実際には慌てて売らずに耐えてきましたが、それは毎月の給料が入り、生活費のために資産を売らなくてよかったからです。
先に結論を言うと、FIRE直後の暴落対策は、相場を当てることではありません。安い価格で生活費を売らなくてもよい期間を、現金・支出・小さな収入で先に作ることです。私はまだFIREを達成していません。だからこそ、退職前にわが家で試せる形へ落として、一緒に見ていきます。
FIRE直後の暴落が怖いのは、安い価格で生活費を売るからです
資産が20%下がるだけでも落ち着かないのに、そこから家賃や食費のために売却するとなれば、さらに怖いですよね。値下がりしている資産を多く売るほど、相場が戻ったときに回復へ参加できる持ち分が少なくなります。
取り崩し開始直後の下落が、その後の資産残高へ強く影響することは「シーケンス・オブ・リターン・リスク」や「収益率配列のリスク」と呼ばれます。長い期間の平均利回りが同じでも、下落が最初に来るか、後に来るかで結果が変わるという考え方です。
たとえば3,000万円が20%下がれば、評価額は2,400万円です。そこから年間生活費180万円をまとめて売る説明例では、残りは2,220万円になります。元の3,000万円へ戻るには約35%の上昇が要ります。これは将来予測ではなく、下落後の売却が重くなる仕組みを見る単純例です。
私は下落率だけを見ても不安になりますが、生活費の売却が重なると考えると、退職直後の準備は積立中と分けた方がよいと思います。「下がっても待てる」と言える家計を、会社を辞める前に作っておきたいです。
積立中の暴落と、取り崩し中の暴落は同じではありません
暴落したら売らずに待てばよい、とよく聞きますよね。私も積立中はその考えを支えにしてきました。ただ、取り崩し中は待っている間も生活費が出ていくので、「何もしない」だけでは家計が回らないことがあります。
| 場面 | 毎月のお金 | 暴落時に起こること |
|---|---|---|
| 会社員で積立中 | 給与から生活費を払い、余りを積み立てる | 安い価格で積立を続けられる場合がある |
| 完全FIRE後 | 資産売却や配当から生活費を出す | 安い価格で売る量が増えるおそれがある |
| サイドFIRE後 | 小さな勤労収入と資産を組み合わせる | 収入分だけ売却を減らせるが、収入減もあり得る |
私は完全リタイアを目標にしながらも、定期的な給料がなくなるのは正直怖いです。暴落中にも同じ額を淡々と売れるかと聞かれると、今の自分には自信がありません。この迷いを気合いで消すより、売却を減らす仕組みへ変えたいです。
「暴落でも売らない」と決めるだけでは、生活費の出どころが空いたままです。何か月待てるのかまで数字にしておきます。
私は生活費を「今月・数年以内・長期」の3つへ分けます

現金を多く持てば安心ですが、全部を預金にすると物価上昇や長期の成長を取り込めない不安もありますよね。反対に投資へ寄せすぎると、暴落時の生活費まで値下がりします。私は商品名より、使う時期で三つへ分けたいです。
| お金の時間 | 役割 | 置き場所の例 |
|---|---|---|
| 今月から近く使う | 最低生活費、税・社会保険、決まった支払い | 普通預金など、すぐ動かせる場所 |
| 数年以内に使う | 暴落中の生活費、教育費、修繕、車など | 預金や値動きの小さい資産を候補にする |
| 長期で使う | 十年以上先も含む老後・FIRE資金 | 分散した長期投資を候補にする |
金融庁の資産形成の基本でも、預貯金、株式、債券、投資信託は安全性・収益性・流動性が異なり、目的に応じて使い分ける考え方が案内されています。暴落対策でも、全部を一つの商品へ置く話にはしません。
私も資産が少し増えると、増やしたい気持ちより減らしたくない気持ちが強くなりました。それでも、長期資金まで怖くなって全部を現金へ移せば、別の不安が残ります。三つに分ければ、「今使う分は守る、長期分は慌てて触らない」と役割を言葉にしやすいです。
まだ生活防衛資金を分けていない方は、50代の生活防衛資金を何か月分持つか考えた記事から見てみてください。FIRE用の現金と、失業や病気へ備えるお金を同じ名前にすると、いくら使ってよいか分かりにくくなります。
現金は何年分かより、売らずに待ちたい月数から決めます
FIRE後の現金は2年分、5年分など、数字を一つ置きたくなりますよね。私も目安があると安心します。でも、最低生活費が月15万円の家庭と30万円の家庭、副収入がある家庭とない家庭では、同じ年数でも必要額が違います。
私は、まず次の式で「暴落中に投資資産から出さなくてもよいお金」を説明用に置きます。
式だけなら、家計でも試せそうですよね。(月の最低生活費 − 暴落中にも見込める手取り収入)× 売らずに待ちたい月数 + 近い大型支出です。
たとえば最低生活費25万円、手取りの小さな収入8万円、18か月待ちたいなら、月の不足は17万円です。17万円×18か月で306万円。ここへ、その期間に予定している教育費や修繕費を別に足します。税金や社会保険も最低生活費へ入れ忘れないようにします。
306万円が多すぎると感じる方もいますよね。私もまとまった現金を見ると、投資へ回したくなります。反対に、これだけあれば下落中に売らずに考える時間を持てるなら、現金は何も生まないお金ではなく、判断を急がないためのお金です。
待ちたい月数は、一度決めたら固定する数字ではありません。副収入が途切れた、教育費が近づいた、働ける日数が減ったときは増やすこともあります。私も「18か月あれば絶対安心」と思い込みそうで不安なので、年に一度、生活費と収入の変化に合わせて見直したいです。
教育費や住宅修繕など、使う時期が決まったお金は、暴落待機用の現金へ重ねて数えません。 資産全体の分け方は、50代の資産配分を使う時期から考えた記事でも整理しています。
暴落時の行動は「売らない」だけでなく4つ先に決めます

相場が下がってから家族と支出を相談し、仕事を増やし、売る資産を決めるのは大変ですよね。私も値下がりを見ると情報を集めすぎて、判断材料より不安を増やすことがあります。平常時に、次の四つだけ決めておきます。
- 現金:どの口座から何か月分の生活費を出すか
- 支出:止める支出と、教育費・医療・家族の時間など守る支出を分ける
- 収入:無理なく増やせる勤務日数や小さな仕事があるか
- 資産配分:いつ、どの幅までずれたら元の配分へ戻すか
支出を下げるときも、楽しみを全部ゼロにはしたくありません。私は家族旅行や思い出作りを「今しかできないこと」として残したいです。毎月の定額サービスや時期をずらせる買い替えから見る方が、家族の納得も得やすいと思います。
リバランスは、値下がりした資産を必ず買い増すという意味ではありません。自分が決めた資産配分から大きくずれたときに戻す方法です。生活費が足りない状態で投資を増やせば、家計の危険が大きくなることもあります。
私は暴落中に「今が買い場か」と考えると、また相場予想へ戻ってしまいます。皆さんも、底値を当てようとして疲れることはありませんか。買うか売るかの前に、現金・支出・収入が予定どおり動くかを確かめたいです。
サイドFIREの月5万円は、年間60万円ぶんの売却を減らします
月5万円ではFIREの生活費に足りない、と感じるかもしれません。でも、暴落中の売却を減らす役割で見ると、年60万円になります。小さな収入でも、資産から出す金額は確実に変わります。
| 年間生活費の説明例 | 月の手取り収入 | 資産から出す年額 |
|---|---|---|
| 300万円 | 0円 | 300万円 |
| 300万円 | 5万円 | 240万円 |
| 300万円 | 10万円 | 180万円 |
私も定期給与がなくなるのは怖いので、この年60万円には大きな安心を感じます。完全リタイアを諦めたわけではありません。ただ、一気に収入をゼロへするより、少し働きながら資産の売却を減らす方が自分には合いそうです。
もちろん、暴落したから急に仕事を増やせるとは限りませんよね。体力、求人、契約、家族時間があり、収入が減ることもあります。だから退職前から小さな仕事を試し、「月5万円を必ず稼ぐ」ではなく「どこまでなら続けられるか」を知っておきます。
FIREに必要な金額を全体から見たい方は、50歳から資産自由を目指す金額を考えた記事も合わせて見てみてください。資産額だけでなく、毎月の不足額を小さくする視点が持ちやすくなります。
実際に暴落した日は、72時間で3つを分けます
大きく下がった日のニュースを見ると、今すぐ何かしなければと思いますよね。私も損失額より、「判断を間違えたのでは」という後悔がつらくなります。そんな日は、売買の結論より先に三つを分けます。
- 市場全体の下落か:広い市場が同時に下がっているのか
- 商品の問題か:保有商品の仕組み、手数料、運用方針に変化があるのか
- 家計の問題か:近く必要な現金や収入見込みが変わったのか
市場全体が下がっただけなら、長期資金をその日の怖さで売らない選択があります。一方、商品の中身が想定と変わった、家計で現金が急に必要になったなら、見直す理由になります。「暴落だから何もしない」と「理由を確認しない」は別です。
私は損失を何度も見ると判断を急ぎそうで不安なので、平常時に決めた現金から生活費を出せるなら、まず72時間はニュースと口座を見る回数を減らしたいです。72時間は正解の待機期間ではなく、感情だけで大きく動かさないためのわが家の仮ルールです。皆さんも、自分が落ち着ける時間を決めておくと少し楽ではないでしょうか。
売る・買うの判断は、下落率だけで決めません。市場、商品、家計のどこが変わったのかを分けてから考えます。
退職前に1回、20%下落の家計テストをします
暴落対策は、実際に下がるまで試せないように見えますよね。でも、資産額が20%下がったと仮定し、投資資産を売らずに3か月暮らす家計テストなら、会社員のうちにもできます。20%は予測ではなく、わが家の弱い部分を見つける説明条件です。
- 投資資産を現在額の80%として紙に書く
- 給与から、FIRE後にも見込む小さな手取りだけを家計口座へ移す
- 不足分は、暴落待機用に分けた現金から出す
- 教育費、医療、家族の楽しみなど守りたい支出を確認する
- 3か月後、現金の減り方と働く負担を家族で見直す
私は数字上の資産額が足りていても、現金が毎月減る感覚には身構えると思います。会社員のうちに一度その感覚を知れば、「想像より平気だった」「この働き方では足りない」と修正できます。失敗しても給与がある時期に試せるのが大きいです。
テスト中に赤字が出ても、FIREに向いていないと決める話ではありませんよね。待機用現金を増やす、固定費を直す、退職時期を少し延ばす、働く日数を変える。戻れる選択肢が見つかれば、むしろ準備は一歩進んでいます。
まとめ:暴落を当てるより、安値で売らなくてよい家計を作ります
FIRE直後の暴落で怖いのは、資産が下がることだけではありません。生活費のために安い価格で売り、回復を待つ持ち分まで減らすことです。現金、支出、小さな収入、資産配分の四つを先に決めれば、売却を急がない時間を作れます。
私も暴落時には自分の判断を疑いますし、FIRE後なら今より不安になると思います。同じように「本当に辞めて大丈夫かな」と迷う方もいますよね。それでも、数年分の生活費があると少し落ち着いて向き合える実感があります。心の強さを当てにせず、揺れても壊れにくい家計へしておきたいです。
まずは今日、月の最低生活費から、暴落中にも見込める手取りを引いてみてください。その不足額を何か月ぶん現金で待ちたいか、家族と話すだけで十分です。相場の底を当てるより、安値で売らなくてよい期間を一か月ずつ増やす。焦らず、ここから準備していきましょう。