2023年3月、米国債券ETFが脚光を浴びてきましたね。
安心、安全の米国債券を中心に資産運用を行っている人も多いのではないでしょうか。
金利上昇、インフレ悪化に伴い、米国国債の価格下落、利回り上昇という状況となっています。
買いのチャンス到来という感じでしょうか。
私も米国債券を少し保有しています。
今回は、数ある米国国債ETFの中から長期国債ETFに絞って、説明していきたいと思います。
こんな方におすすめ
・米国国債ETFに興味がある
・米国債券ETFを資産に組み込みたい
・米国長期国債ETFについて知りたい
各運用会社の米国国債ETF
まず、米国国債ETFのおさらいです。
債権の種類としては、上記の債権全体に投資する総合債券、国債、社債などさまざまな債権があります。
その中でも安全性が抜群なのが米国国債を集めたETFとなります。
米国国債ETFは、各運用会社がさまざまな形で提供してくれています。
米国国債が安全と言っても、長期国債となると変動幅も株式並みとなります。
また、長期国債の方が分配利回りも高くなっていきます。
各社から販売されている米国国債ETFのラインナップ以下のとおりです。
バンガード | ブラックロック | ステートストリート | |
超長期国債(20年超) | EDV | TLT | ー |
長期国債(10年超) | VGLT | ー | SPTL |
中期国債(3年超) | VGIT | IEF | SPTI |
短期国債(1年超) | VGSH | SHY | SPTS |
超短期国債 | ー | SHV | ー |
運用会社から長期国債、中期国債、短期国債に連動するETFが出ています。
今回は、上から2番目の「長期国債(10年超え)」のETFの説明となります。
超長期国債と比べるとボラティリティ(変動幅)が抑えられ、分配利回りも控えめという性質を持っています。
2022年のバンガード社の国債ETFの動きです。
比較のため、S&P500に連動する「VOO」も含めています。
2022年は国債といえども、超長期国債、長期国債ともVOOのより激しい動きをしていることがわかります。
S&P500が不調なのに、米国債券の価格も不調という年でした。
2023年も引き続き不調ですね。
本来であれば、株式と逆相関になるはずの米国国債が共に不調に陥っています。
原因は米国金利の状況ですね。
金利が上昇すると、国債の価格は下落する動きとなります。
長期国債ETFは変動幅が激しく利回りが高い
長期国債の「VGLT」、「SPTL」の詳細を確認していきましょう。
ティッカー | VGLT | SPTL |
名称 | バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT) |
SPDRポートフォリオ米国長期国債ETF(SPTL) |
指数 | Bloomberg U.S. Treasury Bond Long TR | Bloomberg U.S. Treasury Bond Long TR |
設定日 | 2009/11/19 | 2007/05/23 |
経費率 | 0.04 % | 0.06 % |
純資産総額(百万米ドル) | 4,561.15 | 5,883.71 |
分配利回り | 2.79 % | 2.70 % |
分配金回数/年 | 12回 | 12回 |
どちらも残存期間が10年以上の米国国債に投資するETFです。
指数は同じなので、どちらとも同じような値動きとなることが予想されますね。
分配利回り、分配金回数も同じです。
買うのであれば、経費率の低い「VGLT」となりますね。
長期国債ETFのトータルリターンとボラティリティ
10年間のトータルリターンです。
指数が同じなので予想通り「VGLT」と「SPTL」は綺麗に同じ動きとなっています。
超長期国債ETFの「EDV」と比較すると、上記のチャートとなります。
超長期国債ETFの「EDV」の方が変動幅が激しいですが、「VGLT」、「SPTL」も同じような動きをしていますね。
ティッカー | VGLT | SPTL | EDV |
トータルリターン1年 | -18.70 % | -18.77 % | -29.43 % |
トータルリターン3年 | -26.74 % | -28.13 % | -46.30 % |
トータルリターン5年 | -0.62 % | -0.60 % | -6.89 % |
トータルリターン10年 | 13.5 % | 13.2 % | 15.5 % |
ボラティリティ(10年) | 13.5 % | 13.7 % | 19.5 % |
トータルリターンは確認すると、債券という性質上、成長はほとんどありません。
「EDV」と比較すると、ボラティリティが抑えられている分、トータルリターンも控えめになりますね。
長期米国国債ETFのまとめ
いかがでしたでしょうか。
超長期米国国債ETFの「EDV」と比較するとボラティリティが小さいです。
しかし、長期国債ですのでボラティリティは、大きい方ですので好みが分かれるところかと思います。
米国国債ETFはボラティリティが大きければ、株価下落時の緩衝材になってくれる可能性が高いですので、長期米国国債を選ぶのであれば利回りの高い「EDV」でも良いような気がします。
長期米国国債ETFの特徴
・価格の変動幅が株価並みに激しい
・超長期国債ETFと比べるとボラティリティは小さい
・分配利回りはそこそこ高い
「VGLT」、「SPTL」の立ち位置としては、「EDV」よりかは変動幅が激しくないけど、だいたい同じような動きをしますので、ある程度価格変動があった方が良いと思っている人に向いているのかもしれません。
「EDV」だとかなり変動が激しいですから、ハラハラしますよね。
債券ETFも調べれば調べるほど、奥が深いのでこれだと思うETFを探してくださいね。
あなたの参考になれば幸いです。
-
米国超長期国債ETF「EDV」「TLT」は分配利回り高いが変動幅が激しいETF
2023年3月、米国国債が注目されていますね。 金利上昇、インフレ悪化に伴い、米国国債の価格下落、利回り上昇という状況となっています。 今買っておけば、今後は価格上昇、分配金も安定したマネーマシンにな ...
続きを見る