
FIREを目前に控えると、これまでの資産形成の努力が目に見えて形になってきてワクワクしますよね。
けれど同時に、心のどこかで大きく膨らんでくるのが「老後の不安」ではないでしょうか。
特に私が強く感じるのは、医療や介護にかかるお金がどれくらい必要になるのかが全く読めないということです。
生活費については、資産運用や配当金、年金との組み合わせである程度シミュレーションできます。
でも、もし家族の誰かが長期の介護を必要としたら?
自分や配偶者が病気で高額な医療を受けることになったら?
そう考えると、資産残高の数字だけを見て安心するわけにはいかないと痛感します。
おそらく同じように「生活費は見えてきたけど、医療・介護費は未知数で怖い」という方も多いはずです。
そしてその不安を解消しないままFIREに踏み切るのは、後になって家族に負担をかけてしまうリスクを抱えることになります。
だからこそ、FIRE目前の段階で“老後不安”を直視し、安心できる備えを設計することが欠かせないと思うんです。
私自身も、資産運用による生活費確保に加えて、「どうやって医療・介護リスクに対応するか」を家族と一緒に考え始めています。
この記事では、FIRE直前だからこそ押さえておきたい老後リスクの実態と、安心して家族と歩んでいける設計のポイントをわかりやすく解説していきます。
老後不安がFIRE目前で強まる理由
FIREを目指して資産形成を続けてきた人にとって、ゴール目前は本来なら達成感や期待に満ちているはずです。
ところが実際には、この時期こそ老後に対する不安が強まることが多いんです。
なぜかというと、資産額がある程度見えてきて「生活費は何とかなる」と思える一方で、これまで深く考えてこなかった部分――医療や介護、突発的な支出など――が現実味を帯びてくるからです。
たとえば、生活費はシミュレーションすれば予測できます。
毎月いくら必要で、年金でどれくらいカバーでき、残りを投資の取り崩しで補うか、といった数字は比較的算出しやすいですよね。
私自身も「生活費は資産運用で準備できる」という安心感はあります。
しかし、介護費だけは読めない。
これがFIRE目前にして最も大きな不安材料になっています。
総務省や厚生労働省の調査では、介護が必要になった場合、自己負担は数百万円から1,000万円を超えることもあると言われています。
しかもその金額は、介護が何年続くかによって大きく変動します。
「もし5年続いたら?10年続いたら?」と考えると、生活費とは別の次元のリスクだと感じざるを得ません。
また、FIREを目前に控える時期は、多くが40代後半〜50代前半。
自分自身はまだ元気でも、親世代の介護が現実的に始まる時期でもあります。
私も「自分の老後だけでなく、親のサポート費用も重なる可能性がある」という現実に気づき、胸がざわつくことがあります。
つまり、FIREを意識する時期は、同時に“家族の老後不安”も直視しなければならない段階なんです。
こうした状況が、FIREの喜びと同じくらいの重さで不安を押し寄せてくる理由です。
資産額が増えるほど「守るべきもの」が大きくなり、万一の時に減っていくリスクも鮮明に見えてしまうんですよね。
だからこそFIRE目前では、単なる生活費シミュレーションだけでは不十分。
医療・介護・親の介護負担といった“想定外”をどう組み込むかが、安心してリタイアを迎えるカギになるのです。
医療費や介護費に備える現実的な視点

FIREを考えるうえで避けて通れないのが、医療費と介護費の備えです。
日々の生活費はある程度コントロールできても、医療や介護にかかるお金は予測が難しく、人によっては数百万円単位で違いが出てきます。
だからこそ、現実的な視点から「備え方」を考える必要があるのです。
まず医療費についてですが、日本には高額療養費制度があります。
この制度によって、月々の自己負担には一定の上限が設けられており、医療費破産を防ぐ仕組みは整っています。
ただし注意したいのは、差額ベッド代や先進医療、通院時の交通費などは対象外だという点です。
実際に入院すると「制度ではカバーできない費用」が少なくなく、まとまった出費になる可能性が高いんです。
一方で介護費用はさらに読みにくい領域です。
介護保険によって自己負担は1〜3割で済みますが、それでも長期化すると総額が大きくなります。
厚労省のデータでは、介護が必要になった人の平均期間は約5年。
ただし10年以上続くケースも珍しくなく、その差が数百万円〜1,000万円以上に広がるのです。
つまり「平均で○年だから大丈夫」という単純な計算は通用しません。
私自身も、生活費は資産運用でまかなえると考えていますが、介護費だけは未知数だと感じています。
そのため、「想定外の支出に対応できる余白を残す」ことを意識しています。
例えば、すぐには使わない資産をあえて現金や流動性の高い投資信託で確保しておくことです。
医療や介護は突発的に始まるので、換金性の高い資産を一定割合持っておくのは精神的な安心にもつながります。
さらに、保険をどう位置づけるかも重要です。
医療保険や介護保険を過剰に契約すると毎月の固定費が増えてしまいますが、最低限の補填として検討する価値はあります。
「資産運用で生活費」「保険でリスク補填」というように、役割を分けて考えるのが現実的でしょう。
最後に強調したいのは、不確実性をゼロにすることはできないという点です。
医療費も介護費も「いくらかかるか」は誰にもわかりません。
だからこそ、必要以上に恐れすぎるのではなく、制度を正しく理解し、資産配分の中に“緊急用の余白”を残す。
この姿勢が、安心してFIREを迎えるための土台になるのだと思います。
住宅ローン・住まい問題と老後生活の影響
FIREを目前に控えたとき、意外と見落としがちなのが住まいに関するリスクです。
老後の生活において、住居費は長期的に大きな負担となり、安心感に直結します。
私自身も「生活費は資産運用でまかなえる」と考えている一方で、「住まいにどれだけコストがかかるのか」という点は改めて意識しなければならないと感じています。
まず注目すべきは住宅ローンの残債です。
FIREを目指す世代は40〜50代が多いため、ローンがまだ残っているケースは少なくありません。
もし退職後も返済が続けば、年金や運用資金から一定額を取り崩さざるを得ず、資金計画を大きく圧迫します。
仮に繰上げ返済を検討する場合も、「手元資金の余裕をどの程度残すか」という判断が必要になります。
生活費・医療費・介護費に備える資金を確保しつつ、住宅ローンをどこまで減らすか――このバランスが重要です。
次に考えるべきは、住まい自体の維持費です。
持ち家であれば固定資産税、修繕費、リフォーム代などがかかります。
特に築20年以上になると水回りや外壁の大規模修繕が必要になり、数百万円単位の出費になることもあります。
一方、賃貸であれば修繕の心配はありませんが、家賃をずっと払い続ける必要があります。
年金と資産取り崩しで家賃を払い続けられるかどうかは、長生きリスクを考えると慎重に見極める必要があります。
また、老後においては立地や住環境も大きな課題です。
病院やスーパーに通いやすいか、子ども世帯との距離感はどうか。
特に介護が必要になった場合、住まいの場所や間取りが生活のしやすさに直結します。
私自身も「今の家で最後まで暮らせるのか?」と考えると、バリアフリー化や住み替えの可能性を含めて検討せざるを得ません。
さらに、家族との関わり方も住まい選びに影響します。
子どもが独立した後、夫婦二人暮らしで広すぎる家に住み続けると維持コストが無駄にかさみます。
逆に「親の介護を見据えて二世帯住宅にする」「子ども世帯の近くに住み替える」といった選択肢も考えられるでしょう。
結局のところ、住宅は“資産”であると同時に“支出リスク”でもあるという事実を直視する必要があります。
FIRE直前の今こそ、ローンの残債・維持費・将来の住環境を整理し、「老後に安心して暮らせる住まい」をどう確保するかを家族で話し合うことが大切です。
年金制度とFIRE資産のバランスを考える

FIREを目前に控えると、つい「自分の資産でどれだけ生活できるか」という視点に偏りがちです。
しかし実際には、年金制度とどう組み合わせるかが、老後の安心感を大きく左右するポイントになります。
まず押さえておきたいのは、年金が「ゼロになる」ことは基本的に考えにくいという点です。
確かに少子高齢化で年金の給付水準は下がる可能性があります。
でも、日本の社会保障の根幹である年金制度がいきなり消滅することはありません。
つまり、FIRE後の生活設計では「年金を過小評価せず、現実的に組み込む」ことが重要です。
具体的に考えると、65歳以降に受け取れる年金は、生活費のベースとなる固定収入になります。
例えば、夫婦で月15〜20万円程度の年金を想定できるなら、これを“最低限の生活費”と位置づけ、残りを資産から補う形にする。
そうすれば資産の取り崩しペースが緩やかになり、長期的に安心感を持てます。
私自身も、FIRE後はまず資産運用で生活費を賄い、年金受給が始まったら「生活費の土台」を年金に移すイメージを持っています。
そうすることで、70代・80代に入ったときに「運用益が出なかったらどうしよう」という不安を減らせるからです。
さらに、年金には受給開始を繰り下げる選択肢もあります。
70歳まで繰り下げれば年金額は42%増えるため、長生きリスクに備える有効な手段です。
一方で「繰り下げる間の生活費をどうするか」という課題があり、ここでFIRE資産の使い方が問われます。
資産を一部取り崩して繰り下げを選ぶのか、あるいは標準的に65歳から受け取るのか――この戦略は家族で話し合うべき大切なテーマです。
また、年金は「老齢基礎年金・厚生年金」だけでなく、「遺族年金」や「障害年金」なども含めたセーフティネットです。
特に配偶者に万一のことがあった場合、遺族年金の有無で家計の安定度は大きく変わります。
FIRE後の生活設計をする際には、こうした制度も含めて確認しておくと安心です。
結論として、年金とFIRE資産は対立するものではなく、補完し合う関係です。
資産運用だけに依存せず、年金を“安心の土台”とし、その上で資産を柔軟に使う。
この二つのバランスをどう取るかが、老後不安を減らす最も現実的なアプローチだといえます。
家族で共有すべき将来設計と心の安心感
FIRE目前に迫ったとき、多くの人が頭を悩ませるのは「お金の計算」だけではありません。
実際に暮らしていくのは自分一人ではなく、家族全員だからです。
だからこそ、安心できる老後をつくるためには、将来設計を家族と共有することが欠かせないのです。
私自身も、資産運用のシミュレーションや老後資金の見通しはある程度立てています。
しかし、妻と話してみると「私はもっと安心できる備えが欲しい」と感じていたり、「介護が必要になったときはどうしたい?」といった具体的な希望を持っていたりすることがあります。
つまり、数字だけを共有するのでは不十分で、気持ちや価値観も含めて将来を話し合うことが大切なんですよね。
例えば、医療や介護の問題。
「自宅で介護を受けたいのか、それとも施設を利用したいのか」
「子どもにはどこまで頼るのか」
これらは家族ごとに考えが違い、答えも一つではありません。
話し合いを後回しにすると、いざという時に家族の間で迷いや対立が生まれやすくなります。
早めに意見を共有しておくことは、心の安心感につながります。
また、老後の住まいについても同じです。
「今の家で暮らし続けたい」
「利便性を重視して駅近に引っ越したい」
「子どもの近くに住みたい」
こうした希望は、夫婦や家族で意外とズレているものです。
老後資金の計算と合わせて、家族が納得できる暮らし方を描くことが大切だと実感します。
さらに忘れてはならないのが、精神的な安心感です。
数字だけでは人の心は落ち着きません。
「もし病気になったら、ここから取り崩そう」
「介護が必要になったら、この資金を充てよう」
そうした具体的な道筋を共有しておくことで、不安を抱えたまま日々を過ごすのではなく、安心してFIRE生活に踏み出せるのです。
家族での共有は、「計画のすり合わせ」であると同時に、「一緒に歩んでいくための心構え」を整える作業でもあります。
数字だけでなく、価値観や希望を丁寧に共有することで、FIREは単なる経済的な自由ではなく、家族全員の心の自由につながっていくのだと思います。
私が実践する老後不安対策の工夫

FIREを目前にすると、「資産は十分にあるはずなのに、なぜか不安が消えない」という矛盾に直面します。
私自身も、生活費は資産運用で準備できると考えている一方で、介護費のように読めない支出がどうしても心に影を落とします。
そこで私は、不安を少しでも軽減するために、いくつかの工夫を実践しています。
まず意識しているのは、資産の一部を現金や流動性の高い商品で残しておくことです。
投資信託やETFは長期運用には適していますが、急な支出には対応しにくいことがあります。
特に介護や医療の出費は「ある日突然」やってくるため、数百万円単位の現金を「緊急資金」として確保しています。
これだけで、「もしもの時も対応できる」という心理的な安心が大きく違います。
次に取り組んでいるのは、生活費とリスク費用を分けて考えることです。
生活費はインデックス投資信託や配当型のETFを中心に、長期で安定的にまかなう計画を立てています。
一方で、介護や大病といった不確定な支出は「別枠」として管理し、資産取り崩しの計算に組み込みすぎないようにしています。
このように用途ごとに財布を分けることで、生活費の安心感を確保しつつ、リスクにも備えられるのです。
また、保険の役割を最低限で取り入れることも一つの工夫です。
医療保険や介護保険にフルで頼ると毎月の固定費が重くなりますが、最低限の補填として選んでおくと安心です。
「資産運用でカバーする部分」と「保険で備える部分」をバランスよく組み合わせるのが、現実的だと感じています。
さらに、私は家族と定期的に話し合うことを意識しています。
お金の準備がどれだけ整っていても、家族の意見や希望を無視しては安心は得られません。
「もし介護が必要になったらどうしたいか」「どこに住みたいか」などを、まだ元気なうちに話しておくことが最大の備えになると感じています。
最後に、完璧を求めすぎないことも工夫の一つです。
老後の不安を完全に消し去ることは誰にもできません。
だからこそ、「必要以上に恐れず、備えられる範囲で備える」。
その柔らかい心構えが、FIRE後の生活を前向きに楽しむ原動力になるのだと思います。
まとめ|安心設計でFIREをより確かなものに
FIREを目前にすると、多くの人が「ここまで積み上げた資産で本当に大丈夫だろうか?」と不安を抱きます。
私自身も、生活費は資産運用で準備できると考えているものの、介護費のように読めない支出に対してはどうしても不安が拭いきれませんでした。
今回整理してきたように、FIREを安心して迎えるためには、単に「資産額がいくらあるか」を見るだけでは不十分です。
医療費や介護費、住宅ローンや住まいの維持費、そして年金とのバランス――こうした現実的な視点を織り込むことが、老後の安心を大きく左右します。
さらに大切なのは、家族での共有です。
自分一人で数字を見て安心していても、妻や子どもが不安を抱えていたら、本当の意味での安心は得られません。
「介護はどうしたいか」「どこで暮らしたいか」「資産をどう分けて使うか」
こうした価値観を事前にすり合わせておくことが、老後不安を減らす最大のポイントだと実感しています。
もちろん、不安をゼロにすることはできません。
誰も未来を正確に予測できないからです。
けれど、備えられる範囲で準備し、制度や仕組みを理解し、余白を残すことで、不安を「コントロールできる状態」に変えることはできます。
それこそが、FIREを資産の自由だけでなく、心の自由へとつなげる道だと思います。
私にとってFIREは、「資産を切り崩して暮らす」ことではなく、家族みんなで安心して人生後半を楽しむための選択肢です。
だからこそ、資産運用の成果だけに頼るのではなく、老後不安に目を向けて対策を進めています。
この記事を読んでいるあなたも、ぜひ「生活費シミュレーション」だけでなく、「医療・介護・住まい・年金・家族の価値観」を含めた安心設計を考えてみてください。
そうすることで、FIREは不安と隣り合わせの賭けではなく、より確かな安心と自由を得られるステップになるはずです。