
「FIREって最高じゃん!自由だし、もう働かなくていいんでしょ?」
そんなふうに思ってたのは、正直、私だけじゃなかったんです。
うちの妻もFIREには賛成派。
むしろ「私も早くやりたい!」と、かなり前のめりなタイプ。
だからこそ、ある日ぽろっと言ったひと言には驚きました。
「旅行はもう無理だね、節約しなきゃ」
えっ、なんで? そこまで我慢する必要ある?
そう思ったのと同時に、なんとも言えない違和感が残りました。
確かに、FIREを目指すならお金の管理は大事。
でも、今の楽しみまで犠牲にしてしまっては、何のためのFIREなんだろう。
私たちは「将来の安心」を得るために、「今の暮らしの豊かさ」を手放そうとしていたのかもしれません。
夫婦でFIREに前向きでも、考え方や感覚にズレが出てくることって意外と多いんですよね。
それがすれ違いを生み、「こんな生活、楽しくないよね」と気持ちが離れてしまうことも。
この記事では、そんな私たち夫婦の体験をもとに、FIREを目指す中で見えた“妻の本音”と、そこから気づいた理解を得るための3つの工夫をご紹介します。
FIREは家族で一緒に進むプロジェクト。
だからこそ、お金のことだけじゃなく、気持ちのズレにもちゃんと向き合うことが大事だと感じています。
妻がFIREに反対する理由
「FIRE(早期リタイア)って最高じゃない?」なんて話すと、意外と反応はバラバラ。
パートナーに話した瞬間、急に空気が重くなることもあるんです。
うちの場合も、最初は妻も「いいね、それ!」とノリノリでした。
コロナ禍の頃から私がFIREに興味を持ち始めて、節約や投資を本格的にスタート。
するとある日、妻がポツリ。
「旅行はもう無理だね、節約しなきゃ」
その言葉に、ちょっと寂しさを感じました。
あれ?FIREって自由になることだったよね?と。
さらに話を深掘りしてみると、どうやら教育費のことが心配だったようです。
「本当に子どもにちゃんとお金かけられるの?」と、真剣な表情で言われて。
それを聞いて、これはただの節約の話じゃないなと感じました。
つまり、FIREそのものに反対というより、 今の楽しみや家族の安心がなくなることが怖いという気持ちがあったんです。
よくよく考えれば、私は「自由な未来」にフォーカスしてたけど、 妻は「今の生活の安心感」を重視してたんですよね。
夫婦で同じ方向を見ているつもりでも、 “どこを見ているか”が少しズレていると、すれ違いが生まれるんだと気づきました。
だからこそ、最初にやるべきことは「説得」じゃなく「対話」。
「なんでそう思うの?」をちゃんと聞いてみること。
FIREは二人三脚で進めないと、片方だけ先走ると絶対どこかでズレます。
まずは気持ちの温度差を埋めるところから始めましょう。
よくある夫婦のすれ違い

FIREに向けて本気で動き出すと、思ってた以上に夫婦間でズレが出てきます。
これ、うちもそうでした。
私はFIREの情報をネットで調べまくって、投資だ、家計改善だと頭フル回転。
だけど妻はというと、そんな情報をほとんど見てなかったんです。
だから、いきなり私が「支出を抑えよう」とか「もう外食控えよう」と言い出すと、 「え、なに急に?」「勝手に決めすぎじゃない?」って反応になるのも当然でした。
要は、情報格差からくるすれ違いです。
私としては「FIREのために必要なことをしているだけ」だったけど、 妻からすれば、「なんか最近ケチくさくなったな」「今の生活の楽しみ、どんどん減ってない?」という印象だったはず。
特に「旅行は無理」「外食もダメ」なんて空気が出ると、 家族の楽しみがどんどん奪われていくような気がしたんだと思います。
これって、FIREを目指すうえでよくあるパターンです。
一人だけが前のめりになると、どんどん温度差が広がる。
そしてある日、ポンと不満が爆発する。
このズレを感じてからは、まず「話す」ことを習慣にしました。
「今こういう情報があってさ、どう思う?」「この考えどう感じる?」と、妻に投げかける。
すると、ただの独りよがりな節約や投資じゃなくて、 「一緒に考えていけるテーマ」に変わっていったんです。
FIREは一人じゃできません。
お互いの気持ちを確認しながら進めるのが、結局いちばん近道なんだと思います。
次は、そんな話し合いをどうやって“うまく”やっていったのか、実際の工夫を紹介します。
話し合いで信頼を深めるコツ
すれ違いを解消するには、とにかく「話すこと」が大事。
でも、ただ話せばいいというわけでもないんですよね。
タイミングや伝え方次第で、伝わり方はまったく変わります。
うちで一番効果があったのは、「見える化」でした。
あるとき、マネーフォワードMEを使って家計や資産の状況を一緒に確認してみたんです。
そうしたら、「思ったより貯まってるね」「このペースならFIREも現実的かも」と、 妻の反応が目に見えて変わったんです。
数字って、言葉より説得力あるんですよね。
「今こうなってて、ここまで行ければこの生活ができそう」っていうのが見えるだけで、 漠然とした不安がスッと軽くなる。
それまで、「節約しよう」「投資を増やそう」と口で説明していたときは、 どうしてもプレッシャーや強制感があったみたいです。
でも、アプリで一緒に数字を見ながら「どう思う?」と聞くと、 対等な立場での“作戦会議”みたいな雰囲気になったんですよね。
話し合いで大切なのは、「押し付けないこと」と「一緒に考えること」。
マネーフォワードMEのおかげで、うちではそれが自然にできるようになりました。
あとは、子どもが寝たあととか、お互いリラックスしているタイミングで話すのもポイント。
お金の話ってつい緊張しがちだけど、ちょっとゆるめの雰囲気で話すと本音も出やすくなります。
「これ、ちょっと見てみて」くらいの軽い感じで始めてみるのがコツです。
不安を減らす生活の工夫

節約生活って、なんとなく「我慢」のイメージが強いですよね。
でも、我慢ばかりでは長続きしません。
うちでも最初は節約に寄りすぎて、「なんか楽しくないな…」という空気になった時期がありました。
そんな中で見直したのが、“楽しみ”の部分。
たとえば、旅行。
「もう無理かな」って一時は思っていたけど、やっぱり家族での思い出って何より大切です。
だから今では、旅行にはあえて予算をつけて楽しむようにしています。
全部をカットするんじゃなくて、「ここは楽しむ」「ここは抑える」とメリハリをつける。
その方が、精神的にもすごくラクになります。
FIREって、未来のために頑張るイメージがあるけど、 結局は“今”も大事にしないと意味がないんですよね。
家族で笑って過ごす時間、子どもにいろんな経験をさせること。
それがあとになって財産になると、心から思います。
我が家では「体験や経験に使うお金はOK」とルールをゆるく決めています。
その代わり、日常のちょっとした無駄はなるべく減らす。
コンビニでの買い食いとか、使ってないサブスクとか、そういうのは整理しました。
結果的に、楽しみを守りながらも支出全体はしっかりコントロールできています。
FIREを目指すなら、節約だけじゃなくて「どう楽しみを残すか」も考える。
それが家族の納得感や安心感につながっていくと思います。
FIREを目指すために大切なこと
ここまで、妻とのすれ違いや、話し合いのコツ、生活の工夫についてお話してきました。
振り返って思うのは、FIREって「ゴールを目指すこと」じゃなくて、 家族で納得しながら進んでいく“プロセス”そのものが大事なんだということです。
目標金額やリタイア時期はもちろん大切。
でも、それ以上に「今の暮らしを楽しめているか」「家族が安心して前を向けているか」のほうが重要だと感じています。
我が家では、「無理のないペースで資産形成をしていくこと」を一番大事にしています。
そして、その中でも“今”の楽しみもちゃんと味わう。
旅行もするし、おいしいごはんも食べる。
その上で、お金についてもしっかり向き合う。
FIREは、我慢の先にあるご褒美じゃなくて、 日々の暮らしの中にある小さな幸せを積み重ねた結果、自然とたどり着く場所だと思っています。
焦らず、比べず、自分たちらしく。
家族で納得しながら、じっくり育てていく。
それが、FIREという目標を「現実のもの」に変える一番の近道だと私は信じています。