家庭とFIREのリアル

教育費・住宅ローン…家族と歩むFIREに潜む落とし穴

2025年6月3日

「FIREを目指して早期リタイアを考えているけど、家族との生活の中でほんとに実現できるのかな?」

そんなふうにモヤモヤしたこと、ありませんか?

私もそのひとりです。

40代でFIREを目指し始め、資産運用や家計の見直しを重ねてきました。

でも実際にやってみると、FIREって、ただお金の計算だけじゃ済まないんですよね。 

特に、教育費と住宅ローン。

このふたつが、思っていた以上に重くのしかかってきました。

まずは教育費。

うちは小学生の子供がいて、共働きだから学童保育は必須。

それに、本人の希望で習い事もいくつかやらせています。

水泳、プログラミング……月謝だけでそこそこの金額になります。 

「これ全部合わせると、年間どれくらい使ってるんだろう…」と、冷や汗をかいたことも正直あります。

そして住宅ローン。

うちは今から11年前に、30年返済・10年固定で住宅ローンを組みました。

固定期間が終わってからは変動金利で継続中です。

繰上げ返済もしたいとは思ってるけど、現実的にはなかなか難しくて。 

固定資産税やら修繕費やら…住むだけでじわじわお金が出ていくんですよね。

それに加えて、FIREの方向性についても家族との間でギャップを感じることがあります。

私はできるだけ早くリタイアして、時間の自由を手に入れたい。

でも妻は「まだ家も広くしたいし、もっと旅行にも行きたい」と言うことも多くて。

「これ、どこまで自分の理想を通していいのかな?」と悩む瞬間もけっこうあります。

実はこういった“ちょっとしたズレ”“見落としがちな出費”が、FIRE計画の足元を崩してしまう原因だったりするんですよね。

この記事では、そんな私のリアルな体験をもとに、家族と一緒にFIREを目指すうえで見落としがちな落とし穴について、ひとつずつ紹介していきます。

最後には、どうやって見直して乗り越えたか、私なりのヒントもお伝えします。 

ぜひ、最後まで気楽に読んでみてください。

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教育費が家計を圧迫する理由

「子どもの教育費ってこんなにかかるの?」と、思わず口にしたくなることありませんか?

私は子供が小学校に上がる前、正直そこまで深刻に考えていませんでした。 でも、現実は違いました。

共働き家庭にとって学童保育はライフライン。 

我が家ももちろん利用していますが、民間学童なので月6万円以上かかっています。

さらに、息子の「やってみたい!」という気持ちを尊重して、水泳、プログラミングなどの習い事も始めることに。

それぞれ月謝が1万円ほど。 合わせると月に2万円、年間で24万円の出費になります。

項目月額(目安)年間費用(概算)
学童保育(民間)60,000円720,000円
水泳10,000円120,000円
プログラミング10,000円120,000円
合計80,000円960,000円

こうやって表にしてみると、改めてインパクトの大きさにゾッとします。

もちろん、習い事を全部やめれば出費は抑えられます。

でも、それって本当に正解なのか?

子どもが興味を持ったことをやらせてあげたい、という親心とのバランスに悩むんですよね。

FIREを目指すなら支出のコントロールが基本。

だけど、教育費だけは「将来への投資」でもあるから、一律で削減とはいかないのが難しいところです。

では、どうすればいいのか?

私がやってみてよかったのは、 「費用対効果を冷静に見直す」「優先順位をつける」「一時停止を前提に決める」ことです。

例えば、プログラミングは半年やらせてみて、興味が薄れてきたら一旦お休み。

その分、本人が楽しめることに集中して取り組んでもらうなど、“全部やらせる”より“深くやる”方向にシフトしていきました。

結果として、家計は少し楽になり、子どもも一つのことに集中できるように。

「全部必要」だと思っていたのは、案外親の思い込みだったな…と気づかされました。

教育費は、かけ方次第で未来への投資にも、家計を圧迫する負債にもなる。 

冷静に見直す習慣が、FIREへの道を少しずつ確かなものにしてくれますよ。

住宅ローンの見えないリスク

「毎月の返済は何とかやれているし、ローンは順調に消化中。」

そう思っていたのに、気づけば家計がじわじわ苦しくなっている…そんな経験ありませんか?

我が家では、11年前に30年返済で住宅ローンを組みました。

当初10年間は固定金利だったので安心感がありましたが、今は変動金利に切り替わっており、今後の金利上昇リスクがじわじわと不安を呼びます。

毎月の返済は予定通りに進んでいても、住宅ローンには「目に見えないコスト」がたくさん潜んでいます。 たとえば、

  • 固定資産税(年10万円以上)
  • 火災保険・地震保険
  • 修繕費(外壁、屋根、水回りなど)

マンションでも戸建てでも、10年も経つといろいろガタが来るんですよね。

私も最近、水回りの不具合で修繕に20万円ほどかかりました。

突発的な支出って、ほんとFIREにとっては天敵です。

「マイホーム=資産」って本当?と疑問に思ったこともあります。

売却時に思った価格で売れる保証もないし、むしろ住んでいる間にかかるコストの方が大きいのではと実感する場面が多々あります。

「繰上げ返済すればいいじゃん」と言われることもありますが、 教育費がかさむ今の時期、現金を手元に残すことも大事な戦略だと感じています。

ではどう対応するか?

私がやっているのは、以下の3つです:

ポイント

  1. 年間ベースで固定費・変動費を把握して、突発的支出の余地を残す
  2. 住宅関連のメンテナンスは「10年単位」で計画して積立する
  3. 金利の変動に備えて、返済額のシミュレーションを年1回行う

FIREを目指すうえで、住宅ローンは「毎月払えているか」ではなく「将来どれくらいリスクがあるか」で考える必要があります。

家=安心、ではなく、家=計画的な支出が必要な長期プロジェクト。 

この視点があるだけで、無理のないFIRE設計に一歩近づけると思います。

家族の希望とFIREのズレ

FIREを目指していると、「家族と一緒に自由な時間を楽しみたい」という思いが強くなります。

でも現実には、家族それぞれの希望や価値観がFIREとズレることも珍しくありません。

私自身も「できるだけ早く仕事を辞めて、ストレスのない暮らしがしたい」と思っていました。

けれど妻は「家を広くしたい」「もっと旅行に行きたい」と言います。

どれも否定できないし、むしろもっともな希望です。

でも、それをすべて叶えながらFIREを実現するのは、正直なところハードモードです。

子どももまた自由に夢を持ちます。 

「ロボットを作りたい!」「留学したい!」など、将来の可能性を広げるためにサポートしたくなる気持ちは山々。

しかし、それが大きな教育費や生活費に直結することもしばしば。

このように、“家族みんながFIREに向けて同じ方向を見ている”状態は案外レアだと感じています。

「FIREしたいのはあなただけでしょ?」という空気が家庭内に流れると、FIREどころか、家計の話すらしづらくなってしまうこともあるかもしれません。

私も以前、FIREに向けて節約を徹底していたときに、 「なんでこんなに我慢しなきゃいけないの?」と、家族から不満の声が上がったことがありました。

では、どうすればこのズレを埋められるのか?

まず大切なのは、「FIRE=ゴール」ではなく「選択肢のひとつ」として共有すること。

家族にとっての幸せは何かを話し合う時間を意識的につくり、 その中で「FIREを目指すとこういう暮らしができる」と、具体的にイメージを伝えるようにしました。

そして、すべての希望を“今すぐ”叶える必要はない、という共通認識を持つこと。

旅行は年1回に抑えつつ、その分は少し贅沢に。

家のリフォームも「今すぐ全部やる」ではなく「10年計画で進める」など、 バランスを取りながら満足度も大事にしていくスタイルに変えていきました。

FIREはひとりで達成するものではありません。 

“家族みんなで向かうプロジェクト”に変えていくことが、最大の成功のカギかもしれません。

思わぬ出費で計画が崩れる

FIREを目指すうえで、一番怖いのは「予想外の出費」です。

月々の家計はシミュレーション通り。

投資の運用状況もまずまず。

なのに、ちょっとしたことで家計が一気に赤字転落……。

こうした思わぬ出費は、どんなに準備していてもゼロにはできません。

私の家庭でも、ある年に冷蔵庫と洗濯機が同時に故障し、買い替えで30万円が一気に飛びました。

さらに子どもが急に高熱を出して、看病のために仕事を休む → 外食費が増える → 習い事の送迎にタクシー、みたいに連鎖的にお金が出ていく。

「生活防衛資金を確保しているから大丈夫」と思っていても、 「この出費、今切り崩していいんだっけ?」と悩むタイミングは必ず来ます。

また、親の介護問題など、自分たちではコントロールできない支出も潜んでいます。

「いざという時に備える」は簡単ですが、何に・いつ・どれだけ備えればいいのかが分からないのが現実です。

では、どう対策すればいいのか?

私が実践しているのは、以下のような仕組み化です。

仕組み化

  1. 突発支出専用の予備費を別口座に分けて積立てる(月1万円でもOK)
  2. 家電や家具の寿命を把握し、事前に買い替え時期と予算を一覧化
  3. 毎年1回、予算見直しの月を決めて“非常時に対応できる家計か”をチェック

たとえば、以下のような表を作って定期的に見直すだけでも、安心感は段違いです。

項目想定寿命買替予定年費用目安
冷蔵庫10年2027年150,000円
洗濯機10年2027年120,000円
給湯器15年2030年200,000円

これに加えて、予備費には基本的に手をつけない強いルールを設けることで、心の安定も得られます。

FIREは長期戦。

だからこそ「計画通りにいかない前提」で考えておくことが重要。

いざというときに慌てない“余裕の設計”が、FIRE達成の支えになってくれます。

家族と進むための見直し術

ここまで、FIREを目指す過程で直面する“落とし穴”についてお話してきました。

では、どうすれば家族と一緒に無理なくFIREを目指せるのか?

その答えは、「家族と一緒に“見直し続ける”こと」だと、私は思います。

FIREは一度計画を立てて終わりではなく、ライフステージや環境の変化に合わせて柔軟にアップデートしていく必要があります。

私がやってよかったと感じるのは、年に1回“家族FIRE会議”を開くこと。

大げさなものでなくてもいいんです。

リビングでお茶を飲みながら、 「今のお金の使い方どう?」「旅行は年何回がいい?」「貯金ペース大丈夫そう?」など、 ざっくばらんに話し合う場をつくるだけでも、家族の理解度と納得感が変わります。

加えて、私は以下のような「家族との見直しポイントリスト」を意識しています。

チェック項目見直しタイミング目的
教育費・習い事の費用対効果年1回優先順位の再確認
住宅ローン・固定費の妥当性金利変動時リスクの再評価
家族の希望(旅行、住居、習慣)半年ごと生活満足度とのバランス確認
FIRE計画(目標金額・時期)年1回長期目標とのギャップ確認

このように、FIREは「お金の話」ではなく「家族の暮らしの話」に変えていくことが、継続のカギだと実感しています。

我慢だけでは続かないし、無理をすれば必ずどこかに歪みが出ます。

だからこそ、お金と同じくらい、“家族の納得感”が大切。

最後にもう一度。

FIREは、資産形成のゴールではなく、家族でどう生きるかを選び直すためのきっかけです。

完璧じゃなくていい。

でも「見直し続ける姿勢」だけは忘れずにいれば、きっと家族でたどり着けます。

あなたのFIREが、“ひとりの目標”から“家族のプロジェクト”へ変わることを願っています。

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